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ういうことを苦情として訴えるか」というときに、本田先生の話にもあったのですが、「どういうことを知ることによって、苦情として申し立てられるのか」あるいは「こういうことはしなくてもいいのだ」とか、やはり情報公開をしてもらうことによって、その内容に対する要望もいろいろ出てくるわけですから、情報公開という制度が積極的に運用されていくことが望ましいのではないかというふうに思っています。

 

3 行政と市民のパートナーシップ

私たちは、BPWという女性の組織を持っています。これはBusiness and Professional Womenという名称の組織で、以前は有職婦人クラブというふうに言っていたのですが、有職とか婦人とかいう言葉は一般にダサイ表現だということで、この英語文字のBusiness and Professional Womenという言葉をそのままとってBPWという名称に変更されました。これは、世界組織としてのIF(International Federation)につながっている組織で、3年に一度世界大会を開き、私たち女性の立場についていろいろ意見交換をし合っている組織ですが、仙台クラブとしては15年前にこの組織に加入しました。今年はセミナーを開いて、その一つに行政と市民とのパートナーシップというテーマで勉強会をしました。市役所からそういうことに係わる職員の方をお招きしてお話を伺いましたが、その中で出てきたことについてちょっと申し上げますと、一つには、官と民との関係が主従というふうにとられる面がまだある、お上が言うことについて従うだけという側面をまだ持っているということ、あるいは逆に、行政というのは市民のため住民のためにある組織だから、それにサービスするという逆転的な主従の関係もあるということですが、パートナーシップと言われるときには、もっと対等な関係でその両者の関係を作っていくことが必要ではないか、というお話がありました。そこで市役所の方は、「もっと積極的に市民の側からのいろいろな提案が欲しい」と言われたわけです。これは単に苦情ということではありませんが、行政に対するいろいろな提言が市民の側から出ることが望ましいというお話でもあったわけです。一方、私たちの間からは、「お役所というのは一度事を行うとなかなかそれを変更しがたいところがあるのではないか」というような疑問点も出されて、「市の側としては、これからももっと柔軟な対応をしていくつもりだから、積極的に協力し合いたい」というような提案もあったわけです。

 

4 女性に対する暴力及びセクハラ

私は、調停委員という立場で2つのことを申し上げたいと思います。一つは、女性の側からの問題として、暴力に対する反対というか、暴力に対する批判があります。BPWの世界大会でもあるいは北京で行われた女性のための国際会議でも出てきたのが、暴力を何とか廃止したいという要望でした。これに対しては、何かシェルターを作ってそういう人たちを救いましょうというお話はあるのですが、やはり女性に対する暴力を何とかより積極的に抑えたい、何かそういうことを問題にする機関がないのだろうかという気がしてならないわけです。具体的に調停なんかでも「暴力が怖いから夫との調停の席には同席したくない」というような方も時々出てくるわけなのですが、そういう批判が非常に多いということに対して、何か行政の側からこれに対応する施策はないのだろうかと思います。もう一つ、セクハラについては、大学の間でもいろいろ問題が出てきて、私たちとしては全国組織でこれに対応するネットワーク作りをしたいと、今動き出したところなのですが、これについても、「警察に訴えれば」という話はすぐ出てくるのですが、「なるべく名前を公表したくない」という要望がまだまだ強い状況の中では、こういう問題に対しても、もっと積極的に受け皿となる組織が行政の側にできないだろうかと、半分は期待なのですが、そういうことを思っています。

 

 

 

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