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IV [パネルディスカッション]第1ラウンド

 

各種相談員、ボランティア相談員の活動状況

 

樋口晟子(東北福祉大学教授)

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私は、調停委員という立場を含めてということでしたので、前半では少々一般的なこと、後半部分で調停委員という立場から感じていること、この2つについてお話したいと思います。

 

1 行政苦情救済制度の周知度

行政苦情救済制度の周知度ということについては、率直に申し上げて、余り知られていないのではないかという気がします。塚本先生のお話や資料の中にもありましたが、30%程度の周知度ということは、一般の市民の中にはまだ、「どういうことをどういうふうに問題にしていいのかよく分からない」ということがあるのではないか、という気がしています。ただその中で、オンブズマンという言葉については、大分知られるようになってきたと思います。最初その言葉を聞いたときは奇妙な感じがしたのですが、先程ニュージーランドのオンブズマンの話を聞いていて、最初感じたようなイメージのものではないということが分かってきたわけです。

 

2 行政側のオンブズマンと市民オンブズマン

宮城県では、汚職に係わる事件があって以来、この制度に対する関心は少し高まってきたのではないかというふうに思っています。ただ、市民の側から出てきたボランティア的なオンブズマンについては、そういう行政に係わる不正を監視する組織というイメージがやはり強いのではないかというふうに思います。

これに対して、行政の側から行われるオンブズマンについては、「こういう施策についてこういうことをして欲しい」とか「ああいうことはして欲しくない」とか、様々な期待、要望というか、そういうものについて何か中立をするという状況が強いのではないかというふうに思っています。ただ、本田先生のお話の中にもあったのですが、国がやる制度、県とか市町村がやる制度、市民がボランクリックにやる制度の間には、自ずからその役割の違いはあるのだろうけれども、どうもその辺がすっきりしていないのではないかという気がしているところでもあります。ただ、そういう中で、私たちは「ど

 

 

 

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