日本財団 図書館


?A そのことにも関連しますが、制度の設計の面からみると、一つは、国の行政活動全般を対象にしているというところでサ。

?B もう一つは、前述したとおり、総務庁と行政相談委員が相談の受付、苦情の受付をしており、特に行政相談委員は、市町村の区域に最低必ず1人はいるということですので、全国ネットワークが形成されているという点が一つです。

?C さらに苦情の解決そのものだけではなく、行政相談を端著に私どもの行政監察局が監察を行うということがあります。また、全国の私どものブロック機関の所在地を中心として、行政苦情救済推進会議という仕組みを置いていますが、それとの関係で、行政制度の運営そのものを根っこから改善することによって、苦情がそれ以降も発生することを予防できるという仕組みも備えている点がもう一つの特色ではなかろうかと思います。

行政苦情救済推進会議というのは、行政相談、苦情相談などにはいろいろな内容のものがありますが、その解決には、場合によると、制度そのものが変わらないとだめであるというものも多々あります。どのような形で公正を期すべきなのか、国民の皆さんに負担のない形でやるにはどうしたらいいのか、という観点から制度の改善が必要であるというものについては、別途の高い識見のある立場、端的にいいますと、市民としての常識から、行政としてはどうあるべきかということを指し示していただくわけですが、それを受けて、私どもがあっせんをするという仕組みです。

?D そして最後に、行政相談委員が総務庁の行政相談制度の一つの重要な要素として入っているというところです。私どもでは、「行政相談委員は身近な相談相手です。」ということを言っています。また、行政の改善については、総務庁長官への改善に関する意見提出権というのが定められており、その意味でも、行政相談委員の制度は、行政全体の仕組みとして大変大きな意義を持っているというところかと思います。

 

2 行政相談制度の運営

 

次に、行政相談の運営の状況についてですが、どのような案件が出てくるかと言えば、全くもう身近な案件、それから行政と市民の皆さんが最も関係を持つ部分でこのような問題が出てきています。と同時に、さらに制度に関連するものとしては、行政苦情救済推進会議において制度そのものを変えていくという形で初めて解決がされたというものも多数あります。その中には、東北管区局に置いている行政苦情救済推進会議における身体障害者の補装具の給付手続の問題がありました。ここでは、稀装具の給付申請をする場合に、本人が出頭しなければならないという不便さを解決しました。

最後に、私どもが、この「行政相談制度」という国の制度を預かっているという立場から必ずやらなければならない仕事があります。それは、関係機関との連携ということで、これは当然、国全体のことを考えた場合には必要なことであるとして、古くから考えられていたもので、すでに昭和40年代にはこの制度が発足していました。私どもでは、相談の円滑な受付、回付と事案そのものの内容の解決のために十分これを活用しなければならないということで、今、対応しているところです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION