情及び大統領、連邦諮問委員会、国民議会からの回付、そして最高裁判所又は高等裁判所からの審理中の事件に関する調査の要請又は自らの権限によって、各省庁やその官僚及び公務員の不正不当行政に関するいかなる申立ての調査にも責任を負います。オンブズマンは様々な調査に責任を負いますが、以下の事項については調査権を持ちません。
?@ 苦情の申立て又はその回付、職権の調査決定の日にパキスタン国内の裁判所又は審判所等において審理が継続中である件。
?A パキスタンの対外問題及び外交政策に関する件。
?B パキスタンの国防に関する件すなわち陸軍、海軍、空軍及びこれら国防に関する法律に関する件。
?C 公務員又はその代理人による自らに関する苦情の調査。
(3) オンブズマンの権限の及ぶ「不正不当行政」
行政の不正行為に関するオンブズマンの任務の及ぶ管轄範囲は非常に広く、令第2条第2項においては、「不正不当行政」を次のように規定しています。
(1) 以下のような内容を有する決定、手続、勧告、不正行為。
1) 法令や規則に反して、又は善意かつ正当な理由がある場合を除いて、確立されている慣行やその手続から逸脱して実行されたもの。
2) 理不尽なもの、恣意的になされたもの、不合理にされているもの、不公正・不公平が発生しているもの、一方的な見解でなされているもの、差別的なもの。
3) 非常な見当違い又は非常に無関係な根拠によってなされたもの。
4) 不正な動機による権限の行使、不行使又は行使の拒絶。例えば贈賄、汚職あるいは同族登用などの行政上の越権行為によるもの。
(2) 行政執行、職務遂行における怠慢、不注意、遅滞、業務不適格、非能率的なもの又は無能力と認められるもの。
(4) オンブズマンの権限の及ぶ「行政機関」
オンブズマンの管轄範囲は、かなり広範囲に及んでいるので、令第2条第1項に総括的に「行政機関」として規定されています。オンブズマンの管轄範囲の及ぶ行政機関とは、連邦政府の省庁、委員会その他の機関、その他の団体をいいますが、最高裁判所以下の司法機関は除外されます。
(5) オンブズマンの地方事務局
オンブズマンの地方事務局は、連邦法の規定によって、パキスタンの4つの州の州都に設置されています。
(6) 不服申立の処理、資料提出要求
令第10条によって、不服申立ては、国民が申立ての対象である事案について通知を受けた日から3か月以内になされなければならないが、オンブズマンはこの期間を延長することができます。オンブズマンは申立受理後に即座に調査に移ることができ