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来賓挨拶

 

宮城県副知事 丹野 諒二

 

ご紹介いただきました宮城県知事の浅野史郎は、きょう、知事選の当選証書をいただいた関係で時間的に間に合いませんので、副知事の丹野からお祝いのご挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。

本日の「行政苦情救済・オンブズマン仙台フォーラム」に、只今ご紹介のありましたように、遠く海外のパキスタン及びニュージーランドのオンブズマンを特別講演の講師としてお招きをし、また、わが国における行政苦情救済の諸課題について意見交換を行うということで、全国各地から行政苦情救済に携わっている方々にここ宮城にお集まりをいただきましたことに対し心から敬意を表しますと同時に、ご臨席の皆様方を心から歓迎申し上げたいと思います。

近年、行政運営あるいは公務員の在り方について厳しい批判が寄せられているなど、より一層公正・透明な行政運営の実現というものが私どもに求められているのではなかろうかと考えるのであります。そうした中、本県では21世紀を目前として、県民と県政の新たなパートナーシップの確立をめざし、宮城県独自の行政改革として新しい県政創造運動つまり県民の視点に立った宮城らしい行政改革を進めていこうということで取り組んで参っているのでありますが、そのような時期に今回このフォーラムが開催されるということは、私ども宮城県民にとりましても大変意義深いことではなかろうかと考えております。

宮城県は、県政運営の基本姿勢の一つとして県民生活を重視した公平で開かれた県政を進めてきておりますが、県政の透明性あるいは公正性をこれからもなお一層向上させ、県民に開かれた県政を推進して、県民と行政との間の信頼関係をより一層深めるために、昨年の11月に公的オンブズマン制度を発足をさせたのであります。これから更に制度の充実を図っていかなければいけないわけですが、そうした点からも、今回のフォーラムが私どもに大変貴重な勉強の機会を与えてくれるものと思っております。改めて感謝申し上げます。これから特別講演とパネルディスカッションが行われるわけですが、今回のフォーラムがぜひ実り多い成果を挙げますことをご期待申し上げ、そしてまた、日頃大変ご苦労の多い皆様方に対し、今後ますますのご健勝とご活躍をご祈念申し上げまして、お祝いのご挨拶にさせていただきます。

 

仙台市長 藤井 黎

 

仙台市長の藤井でございます。今日は本来ならば秋晴れのいい天気のはずだったのですが、少し時雨れて参りました。お寒い中をこうして大勢の皆さんにお集まりいただいて、このフォーラムが仙台において開かれるということに対し、私どもとしては一つの大きな誇りを感じますし、また心からご歓迎を申し上げたいと思います。とりわけ、パキスタンからアブドゥル・シャクルル・サラム判事さん、そしてニュージーランドからはサー・ブライアン・エルウッドさん、お二人に遠い海外からお出でいただいたことに、そして又、国内の各地からも行政苦情救済に関わっておられる大勢の方々にご参加いただいたことにつきまして、市民ともどもに皆さんをご歓迎申し上げる次第でございます。

21世紀を目前として、いろいろな意味で、今は大転換の時代というお、うに言われております。昨日も、香港で起きた株価の下落がニューヨークを襲って大暴落ということでしたが、世界の動向がリアルタイムにボーダレスの状況で波及して影響を与えているという状況、これは一昔前には考えられないことでした。

行政におきましてもその例外ではございません。皆さんよくご存じのことと思いますが、ナショナルミニマムが一定の成果を挙げた後の今日における行政の状況は、市民のニーズが非常に多様化してきており、それに行政が守備範囲を自ずから広げていかざるを得ない、どこまでも広がっていく行政の守備範囲ということと、それから旧来の体制からなかなか脱しえない行政の体質、制度がございます。また一方におきましては、そのニーズの多様化というのは個のレベルに非常に近づいていって公のレベルとの区別をつけにくいような状況になっております。このようなことから、住民の苦情は、その狭間において無数に起きてくるし、またその無数に起きる苦情は、おそらくはかつて我々の教科書になかったような問題のみでございまして、皆さんはそういう意味において随分とご苦労なさっておられるだろうし、そういう苦情がかなり増加の傾向にあるということに対しても、非常にご苦労なさっているのではないかと思います。

しかしながら私どもとしては、そういう状況の中にあるにしても、やはり住民自治を確立し、住民の福祉を向上していかなければならないという大きな命題がございます。その命題に向かって、仙台市におきましても市民の目の高さにおいて行政を行っていくという、この視点を大事にしながら、これに対応しようと努力をしているところでございますが、なかなかこれは追いつこうとしても追いつかない課題でもございます。今日のフォーラムにおきまして、皆さんのそれらに対する一つの大きな手掛かりが得られることを心からご期待申し上げまして、お祝いの言葉にさせていただきたいと思います。ご成功をお祈りいたします。

 

 

 

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