中央政府と地方団体の関係の基本と地方統制の強化
地方団体の権限は制定法から生じるが、地方団体は法律に規定されている権限のみを行う。
?@ ローカルアクトによる授権
特定地域にのみ規定される法律で、当該地域や特定の団体に特別の権限を与える法律(特別の機関の設立や慈善団体の設立など)を意味する。イギリスでは地方自治体のあらゆる活動・事業に法律上の根拠が不可欠であるとされており、このローカルアクトも国会を通過したものでなければならない。
?A 条例の制限
イギリスの自治体は、各々の法律の規定に従って条例を制定して個別の事務権限を確保することになるが、その場合においても中央政府の主務大臣の承認が必要となる。そのため、日本の条例とは違い自主立法的ではなく、委任立法的性格が強い。
議員
議会は、議決機関であるのみならず執行機関。議員は住民の直接選挙により選ばれる。任期は4年。
議員報酬は、「議員は名誉職」の伝統から給料は支給されない。基礎手当、出席手当、特別責任手当のみ。
知事・市町村長
英国では、日本の知事・市町村長のような独立した行政機関の長は存在しないも対外的に地方自治体を代表するのは議長であるが、実権はリーダーにある。
事務総長(Chief Executive)
英国の地方自治体の行政は、議会の指揮監督のもとに公務員から構成される行政各部の事務組織が行う。この長が事務総長であり、従来法律家がこの職を務める例が多い。
?@ 幹部職員(事務総長、各部の部長)
所管する1つまたは複数の委員会の推薦に基づき議会より任命される。
?A その他の職員 議会の定める規則に従い、通常各部長により任命される。
地方団体の機能