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その場合メディアトュールの方が先に勧告を出すため、行政裁判所の判決が妨害されるという問題も生じている。また一方で、メディアトュールの活動を行政裁判所が統制することができるのかが論争となっている。これは、メディアトュールが行政機関なのか、立法機関なのか、司法機関なのかという組織の性格ともかかわってくる問題である。また、これはメディアトュールが持つ法制度改革までも勧告するという積極的措置も、法的拘束力を持たない限り単なる意見表明に終わってしまうことになる。その一方で、コンセイユ・デタは当然のことながら適法性のみならず、衡平性、相当性も扱い、両者の競合状態が生まれている。苦情事例で見たように、問題によっては両者の対立や使い分け状況が生まれてくるともいえよう。

 

〔メディアトュールの苦情処理状況〕

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