3市の場合、市政相談に関する事案に比して市民生活に係る事案のウエイトの占める割合は非常に高いものとなっている。
統計の取り方や相談の実施体制等が異なる点があるが、前回の政令市等の調査では、次のように市政相談と一般相談に区分して統計が取られている札幌市、大阪市及び広島市では、一般相談の占める割合は10パーセント代であり、また、高松市の場合でも50パーセントに止まっている。
札幌市 大阪市 広島市 高松市
市政・一般相談 27,118(100) 78,398(100) 11,931(100) 4,561(100)
市政相談 24,151(89.1) 68,124(86.9) 10,020(83.8) 2,235(49.0)
一般相談 2,967(10.9) 10,274(13.1) 1,911(16.2) 2,326(51.0)
一般相談(生活相談)の中には給与・賃金問題、通信・訪問販売や借地・借家問題など行政の関与が深いと思われる事案も少なくないが、金銭問題や相続・親子問題等個人生活や身の上相談をはじめ相隣関係に係る問題など幅広い対応が求められている。
ここにも、地方都市においては、行政広聴機能としての役割から行政サービス機関としての役割がより強く求められている市民相談活動の一端が伺われるが、このことは、行政や地域社会の進展とともに市民生活や個人の価値観の多様化への対応が必要となっていることの現れでもあると言える。
一方、行政の複雑・多様化とともに個人生活に係る行政の分野も相談活動の上で非常に重要な問題となってきており、かつ、専門的な知識、経験が求められる分野が少なくない。これら問題への対応が、市民相談活動の一環として実施されている各種専門相談員による「専門相談」である。