9.3.6 レビューの要約
コストのレビュー結果は、表9.3.6-1に示すとおりである。ハードに対する総投資額、即ちS5についてはJARTSの見積はUBTSLの見積より約30%大きい。
この差は主として土木構造物と軌道のコストの差に基づくものである。
土木構造物と軌道のコストの差についてのコメントは9.3.2.4及び9.3.3.4に述べてある。UBTSLは土木構造物と軌道のコスト見積について確認する事が望ましい。
システムについてはUBTSLの見積とJARTSの見積りは殆ど同一である(2%の差)
車両についてはUBTSLの見積はJARTSの見積より約13%小さい。
ソフト即ち項目22〜29については、このコストの総和はハードコストの総和の約38%を占める。ソフトにどの程度のコストを割り当てるかはプロジェクトを実施する企業の方針/戦略によって異なる。
エンジニヤリング、管理、建設マネイジメントは鉄道経験の深いインドのコンサルタントや専門家を活用する事によりコストを下げることが出来るであろう。
予備費やプロジェクト保留費はプロジェクト実施に際して遭遇する可能性のあるリスクに対しての企業の方針によって定まる。
まとめとして、UBTSLは土木構造物、軌道のコストを再確認してほしい。インドでは類似の鉄道土木構造物、軌道の建設についての過去の経験が多く得られると考える。この経験を生かせばUBTSLによる土木構造物、軌道におけるコストの再確認は容易になされうるものと信ずる。