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7.3.1 設計概念

 

ELRTの安全且つ効率的な運行を司り、利用客に快適なサービスを提供できるように、信号・通信システムは高信頼性及び保守性を配慮した設計とする。更に、指令所に設置する中央装置については、将来のELRT拡張時に設備追加や軽微なソフト変更によりシステム構成ができるようにシステムの拡張性を配慮する必要がある。

 

(1)信号システム

信号システムは駅間及び本線と車両基地の入出庫線間の列車運行を指令所から集中制御及び監視ができるシステムとし、中央装置又は情報伝送装置等の故障の場合には各駅の制御卓により該当区間の列車運行の制御及び監視を可能とする。

中央制御又は各駅制御いずれの運行モードにおいても、これらのエリアを走行する列車が所定の許容速度を超過した場合には、自動列車防護(ATP)システムにより非常制動が動作し安全を確保できるものとする。

これらの信号システムはBMRTLのシステム要件に従い、全区間において逆線運行が可能なシステム構成とする。

Phase1におけるELRTは最小運転時隔180秒で運行予定であるが、信号システムとしては最終ステージにおいてもシステム変更なしに旅客需要に対応できるように、最小運転時隔は120秒を設計条件とする。

 

(2)通信システム

通信システムは各駅及び列車内の乗客への情報の提供を行うと共に、ELRTの運行、管理、保守等に必要な情報交換が可能なシステムとする。ELRTの運行及び制御を司る電力・信号システムの情報伝送を司る情報伝送設備は高信頼性のシステム構成とし、事故等の緊急事態においても効率的な列車の運行を維持出来るシステムとする。

通信システムは事故等の緊急時にも列車の効率的な運用や旅客の誘導を可能とし、又、電力設備側の電源故障時にも主要設備は最大3時間稼働できるような設計とする。

 

7.3.2 信号システム計画

 

(1)運転計画条件

Phase1時においては、列車は最小運転時隔180秒、最終ステージにおいては最小運転時隔120秒での運行が計画されている。信号システムについては、将来のシステム拡張時にPhase 1で建設されたシステムの改修等が生じないように配慮する必要がある。

 

 

 

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