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(1)大量公共交通機関

 

バンガロール市には軌道系の都市交通手段がないため、現在のところバス交通が唯一の大量公共輸送機関である。バス交通は、州政府の交通部門であるKarnataka State Road Transport Corporation(KSRTC)の下部機関Bangalore Transport Service Division(BTS)がバンガロール市内および市中心部から37kmを限度とする郊外地域に独占的にバスサービスを供給している。BTSのバス交通の運行車両数は、約2,000台で、市内および郊外路線数は、865路線、1日の走行距離数は41万kmである。1994年現在で約240万人の旅客輸送を行っている。市内には、Bangalore Bus Station,City Market, Shivajinagar Bus Stationの3つのバスターミナルがある。

市内および郊外バス路線には、通常のバスサービスの他に急行(Express)およびデラックス車両によるPushpackサービスがあり、それぞれ料金システムが異なっている。Pushpackサービスのバス料金は、通常のバスサービスの約3倍である。

BTSによるバンガロールのバスサービス水準は、デリー、マドラスなどのインドの他の主要都市に比べるとまだ人口に対するバス車両台数の少なさが指摘されている。また、バスが通行する道路の狭さやデポ、修理工場などの施設が充分整備されていない点も問題点として指摘されている。

 

(2)その他の公共交通機関

 

バス以外の公共交通機関としては、オートリキショウとタクシーがあるが、この他に公営、民間の大規模企業が自社の自家用バスやミニバスを従業員の通勤のために走らせている。

オートリキショウは、約25,000台が中所得階層の庶民の足としてよく利用されており、バスに次ぐ輸送量を持っている。タクシーは、台数も少なくバンガロールでは、一般的な公共交通手段とはなっていない。

 

(3)私的交通手段

 

乗用車、バン、モーターサイクル、スクーター、モペットが主要な自家用交通手段となっている。特に2輪車の保有台数は、車保有台数の75%を占めており、バンガロールでは、最も一般的な自家用交通手段となっている。自家用乗用車は、車保有台数の約14%で2輪車の普及に比べるとまだ少ない。一方、自転車も重要な交通手段となっており,利用交通手段の5%を占めている。また、この他に、貨物輸送手段として26,700台の商用車が登録されている。

表2.2-1は、自動車登録台数の推移を示したものである。自動車登録台数の推移を示したものである。バンガロールでは大量交通機関の整備が遅れているため自家用乗用車や2輪車の保有台数が人口を上回って増加している。自動車登録台数は、2001年にはおそらく100万台を超えることとなろう。

 

 

 

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