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彼らの受けた教育は、高校ないし大学の卒業時に労働市場で求められる技能(skill)の修得には結びつかない。

 

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図表5-4は、アメリカの若者のかろうじて半分以上が大学に進学し、約1/4が最低でも4年制大学(学士号)の学位を受けることを示している。この学位が得られる学生の割合は国際比較からいえば高い。しかし問題は、学生の20%が文系準学士号(an associate's degree)さえも取得せずに退学しており、さらにその内2/3(同世代若者全体の13%)は、なにがしかの資格を得られるプログラムで職業訓練を受けてない点を指摘しなければならない。

大学に進学しない高校卒業者は48%いるが、その約1/3(同世代若者全体の15%)は、職業資格を得られるなんらかの職業訓練を受けている。だが、前出48%の2/3(同世代若者全体の31%)はそのような職業教育を受けていない。このようにアメリカの若者の31%が、中等後教育も職業教育も受けず、13%が大学に進学したものの、文系準学士号さえ取得せず、また職業教育も受けていない事実を考えると、若者の高失業率をもたらしたのは驚くに値しないのである。

他方、ドイツの状況はアメリカとはまったく異なっている。図表5-5に表わした通り、ドイツの若者の84%が中等後教育または職業訓練修了の証明書を取得している。現在ドイツの若者の2/3が実習訓練プログラムを受けているのに対し、アメリカでのそれは3%〜5%にすぎない。

ドイツの実習訓練は学校の授業と雇用が結びついて、いわゆる「二重教育制度」(dual suptem)

 

 

 

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