4. アメリカとドイツの教育制度
アメリカの若者を労働力として統合するのは、ドイツよりはるかに困難であることから、両国の教育制度について検討することは、失業率の格差の原因を多少とも解明することになるかもしれない。米国の高校のカリキュラムは、大まかに大学進学準備教育、職業教育、一般教育(これを教育省は“市民、家族のメンバー、労働者に共通する活動に備える教育プログラム”と定義する)の3つのプログラムに分かれる。この3種類は全国の高校でほぼ共通している。1982年と1990年において、17歳の学生が3つのプログラムを受講する比率は図表5-3に示されるように、大学進学を希望する学生の数が増加し、ほかのプログラムでは減少していることがわかる。