大きくみて、「態度が素直だ」「時間を良く守る」「職場によく溶け込む」「遊びが上手だ」「言われた仕事をきちんとこなす」「社外の人との付き合いが多い」という数値が比較的高い。
この答えの深い分析は後に詳しくする予定だが、これだけの数字をみても、若年者の仕事や会社にたいする考え方が浮びでているように考えられる。
その代表的な考えは、「態度が素直だ」にあるといえる。「言われた仕事はきちんとこなす」が、それ以上の「積極的態度」がみえない。「自分から進んで努力する」とみない人事担当者も半数あり、「発想が柔軟だ」という者も少なく、「社内行事に積極的に参加する」という者も少ない。反対に「社外の人との付き合いが多い」という者も過半数を越える。
この人事担当者の若年者に対する見方は、アルバイトの学生、生徒や専門学校生の「自己概念」と通底したものがあるといえよう。
第2節 若者の進路調査の二大分析
アルバイト情報誌の読者は、高校生、大学生、その他、学生でもなく会社など定職についていない者などで、若者一般の性質をもってはいる。しかし、アルバイト情報誌の読者は、若者のうちでも片寄りがあり、日本の若者の考えそのものを代表してはいないだろう。
こういう事実を前提として、「日頃、思っていること」の12項目をより深く分析してみた。その因子分析の結果は図表4-6のとおりとなった。
質問は「はい」「いいえ」の二者択一回答を求めており、ここで数量化三類といわれる分析手法をとった。この手法では単純な同等集計と違って、質問全体のなかで差異化し、また共通化し