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また、職業人としての自己確立の項目と同様、ここでも規模別によく似た違いがみられた。スコアは規模が大きいほど高くなる傾向があった。ただし、最高と最低の開きは最大でも3.27であり、大きくはない((8)「情報に鋭い」で、99人以下が〜1.81、1000人以上が1.46である)。大まかにはどの規模でも似た傾向にあると言える(図表は省略する)。

 

第3の組織人としての柔軟性に関する項目は7つある(図表3-18参照)。マイナスのスコアは少なく、(12)「社内の行事に積極的に参加する」だけが-0.40であった。7項目平均のスコアは1.83で、3領域の中でもっとも高い結果となった。(9)「職場によく溶けこむ」や(10)「まわりの意見を聞きながら仕事をする」のように、組織人としての基本的なあり方に関する設問で評価が高い。(11)「物事にこだわらない」や(13)「遊びが上手だ」といった柔軟性を備えているし、(18)「社外の人との付き合いが多い」も同じ観点でみることができよう。もっとも、「物事にこだわらない」のは、組織規範に無頓着なずぼらさを示すとも言える。その意味では、このスコアが高いのは欠点と言えなくもない。

ところで、さすがに、「社内の行事に積極的に参加する」はマイナスのスコアとなったが、「会社の人ともプライベートな付き合いをする」は0.13ではあれ、プラスの評価となった。これをみると個人主義で集団嫌いの若者というイメージもある程度修正が芝、要かも知れない。

このことは企業規模別にみると、一層興味深い。図表3-19にみられるように、「社内の行事に積極的に参加する」ことに関しては、大企業と小企業とでは反応がやや異なるのである。1000人以上ではスコアは-0.87と個人主義的であるが、99人以下では、プラス0.73とほんの少し集団主義的だとの反応になっている。これは、小企業における人間関係の濃密さを示すものなのかも知れない。

 

 

 

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