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企業規模別にも分析してみたが(図表は省略)、比較的共通するところが多く、差異は小さかった。ただ若干の差異として、学歴では1000人以上規模で、「大卒」を上げる企業が多かった(34.4%)。ちなみに、高卒は32.8%であった。1000人以上規模になると、大卒者を大量に採用しており、大卒者が最多の学歴グループという企業も珍しくない。こうした事情が反映されているのであろう。また、1000人以上規模では、職種について「営業職」の定着に不満を感じている企業が多かった(20.3%)。同じ規模では、技能職は15.6%と低い。これもこの規模の企業では営業職が小規模企業よりも多いことに原因があるとみられる。

さて、ここに上げられた属性をみると、多くは若さに関係している。高卒は大卒よりも若い。若年者、新卒者はいうまでもない。その他、男子は定着への期待が裏切られているからであろう。女子の方が定着がいいというわけではなかろう。技能者は他の職種と比較してという問題もあるが、いわゆるフリーターが多くみられるからではないか。だとすれば、これも若さと関係している。

 

2. 辞める理由(企業の認識)

定着を悪くする離職の主たる理由は何であろうか。これを企業に訊くのは相手を間違えていると言えなくもない。しかし、少なくとも企業がどのように離職理由を認識しているか、という資料にはなる。

これに関する図表3-12の集計結果をみると、もっとも多いのは、「仕事内容」の40.5%で、次いで「結婚・出産など家庭の事情」の29.9%、「人間関係」の27.9%、「賃金や処遇」の19.4%、が上位の項目である。「その他」を上げた企業は6.7%しかない。「結婚・出産」はほとんど女子だけの問題であろうから、一般的には仕事内容、人間関係、賃金・処遇が3大理由と認識しているわけである。

これを企業規模別にみると(図表省略)、3大理由と家庭の事情の4つが主要な理由であるとの認識は共通しているが、1000人以上と99人以下にやや特徴的な分布がみられる。1000人以上規模では、3大理由のうち、「賃金・処遇」の筈1合が低い(14.2%)。賃金・処遇は悪くない、との認識が会社側にあるのだろう。また、「人間関係」も少ない(17.0%)。それに代わって、「会社の事情」が多い(40.4%)。大企業での定着の悪さは主に、女子にみられるためであろう。

他方、99人以下規模では、「仕事内容」と「家庭の事情」が低く(それぞれ28.7%、16.1%)、「人

 

 

 

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