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第2節 定着状況と若年者の行動特性

 

1. 定着状況

本章では、若年者の企業への定着状況とそれに対する企業の認識、さらには若年者の行動特性(これも企業の認識を通してである)について分析する。若年者の定着は人事管理の大きな問題であり、また若年者のキャリアの発展という点からも大きな関心が寄せられている。

そこで若年者の定着性について、企業が満足しているかどうかを訊いた(図表3-11)。それによると「満足している」企業は41.5%、「一部悪い」と考えている企業は46.3%、「不満だ」とする企業は7.7%であった。

企業規模別に定着状況をとらえてみると、多少のデコボコはあるが、大きな差はない。ただし、1000人以上規模では「満足」の比率が50.4%とかなり高い。99人以下では36.4%である。しかし、300〜999人規模でも37.8%と低く、100〜299人規模は42.4%でやや高い。「一部悪い」と「不満だ」の合計でみても1000人以上は45.4%と際だって低いが、他の3規模類型は54.3%〜58.1%の範囲にあり、大きな差はないと言える。規模別に見る限り、大企業以外はそれぞれ、不満があるということである。

 

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このように企業が不満を抱く定着ぶりであるが、定着度に満足している企業を除いて、残りの企業にどのような従業員がとくに定着度が低いかを訊いた。ここでは従業員のさまざまな属性(具体的には、学歴、性別、年齢、職歴の有無、職種の5類型)を列挙して複数回答で選んでもらった。

その結果、定着性に不満と応じた対象者で、比較的多かったのは、学歴別では「高卒」の29.0%、性別には「男子Jの20.6%、「若年者」の30.7%が目立つ。また、「新卒者」と「中途採用者」はともに高く、それぞれ29.6%、27.0%を示すほか、「技能職」の26.4%も看過できない。男子高卒技能職の若者に対して、比較的多い不満が寄せられているようだ。なお上記の対象者以外に20%を超えた類型はなかった(図表3-12)。

 

 

 

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