6. 小括
専門学校への入学希望がどのような理由で決定されたものであれ、進学者のほとんどは将来の仕事をイメージしながら自分で進路を決定している。したがって入学動機は「技術・専門知識の習得」であり、また「希望する就職へのステップアップ」、「免許・資格の取得」などといった目的動機に高い回答をみることができた。この三つを入学動機に選択した学生は、専攻分野の将来にもおおよそ信頼をおいているといえよう。これに対して「すぐ就職したくなかった」などのモラトリアルを伺える学生は全体で、17%程度であった。それにもかかわらず、これらの理由動機を選択した場合でも、目的動機との大きな差異はみられなかった。
ともあれ興味のある専攻分野を選んだ学生は、入学後もそれに満足している。また友達もでき進路の選択がおおむね納得のいくものであったと答えている。ただ専門的な技術や知識を習得したり、希望の就職へステップをきるとき、それを具体的な形で確証できるのは、やはり「免許・資格の取得」にあるようだ。
(杉座秀親)