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図表1-9では、学生アルバイターとフリーアルバイターをそれぞれ性別に分けて比較している。顕著な違いは、学生アルバイターでは男女ともに「企業や官公庁に就職」を半数近くが選んでいるのに比べて、フリーアルバイター(特に女性)ではこの項目は少なく、代わりに「合う仕事が見つかるまで」(男女とも)、「仕事以外にしたいことがある」(女子で多い)、「商売や事業を始めたい」(男子で多い)、が挙げられている。

また、学生アルバイターでは「組織や会社に拘束されないフリーな立場で働きたい」と「まだ決めたくない」が15〜17%ある。フリーアルバイターに比べるとややあいまいな感じがする。学生アルバイターのなかでは、やはり大学生の半数以上が「企業や官公庁に就職」と答えている。特に女子では6割がこの項目を選択している。男子学生は「まだ決めたくない」と「商売や事業を始めたい」が多い。

以上をまとめると、学生アルバイターではいわゆる就職指向が強いが、自営指向もみられる。そして、年齢が低いほどつまり低学年ほど「まだ決めたくない」という選択が多くなっている。フリーアルバイターでは、企業などへの就職指向は低く、自営指向も男子では強いが、「自分に合う仕事が見つかるまで」そして「仕事以外にしたいことがあるので」と答えており、アルバイトという働き方を継続していきたいと考えている。とりわけ女子では「自分に合う仕事が見つかるまで」が4割を超え、最も多い回答となっていることは注目すべきだろう。前節でのアルバイトの理由の検討でも、約3割が「自分のやりたいことをさがすため」と答えていた。フリーアルバイターである若者の特質を表す結果といえるだろう。

 

2. 相談相手

次に、自分の将来についての相談相手となるのはどのような関係にある人か、を尋ねた。「就職や進路選択にあたって、悩みや問題解決に役立つ情報が得られたり、相談できるのはどのような人ですか」が質問で、以下の11項目から該当するすべてを答えてもらった。

 

1 職場の上司や社員

2 職場の仲間

3 教師

4 学校の先輩・友人

5 家族・親戚

6 学校の就職部や進路指導室の担当者

7 地域の知り合い

8 趣味・同好の仲間

9 インターネット・パソコン通信など情報ネットワークの仲間

10 その他

11 特にいない

 

図表1-10に性別の比較もできるように結果を示す。当てはまる項目をいくつでも、と回答を求めたが、平均して1.9項目を答えている。学生アルバイターでは2.1項目であったが、フリーアルバイターでは1.6項目である。これは選択肢に教師や学校の就職部といったフリーアルバイターには、関係の薄い項目が含まれていたためであろう。またフリーアルバイターでは、「特にいない」が13%と学生アルバイターの2倍以上の回答があった。「いない」と答えると、他の項目は選択

 

 

 

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