学生アルバイターの方が多く挙げているのは、「衣装など身の回りのものを買うため」「旅行やレジャーの費用を得るため」といったアルバイト収入の使い道でより切実度の低い項目であり、さらに「社会的な経験をつむため」「ひまだから」のよく言えばゆとりのある、見方によってはのんきともいえる項目である。
これに対し、フリーアルバイターでは、収入の使途でも「家賃や生活費を得るため」が多く、「身の回りのものを買うため」についても女子が55%挙げているが、女子学生アルバイターが8割であるのに比べると低い。また、フリーアルバイターでは、「正社員になりたいが就職先がないため」という理由を男女ともに17%ほどが挙げている。このようにフリーアルバイターのおかれた厳しい現実をうかがわせる回答となっている。
つけ加えておくと、後に第5節でとりあげる「自己イメージ」についての項目で「いま経済的には恵まれた立場にいると思う」への回答が、ここでの収入の使途と関わりがある。すなわち、「家賃や生活費を得るため」を回答した者のうち8割は「恵まれた立場にいる」を否定しており、逆に「旅行やレジャーの費用を得るため」と回答した者では7割近くが「恵まれた立場にいる」を肯定している、といった対照的な反応を示している。
他方で、フリーアルバイターでは予想したとおり「自分のやりたいことをさがすため」「他にやりたいことがあるので」「定職だと会社に拘束されるから」「アルバイトの方が時間的に融通がきくから」と、定職に就かない積極的理由を多く挙げている。特に「やりたいことをさがす」と「時間的に融通がきく」は3割内外が挙げており、他の三項目も20%程度の回答がある。