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6 ローマ市における情報通信ネットワーク

 

ローマ市では、1990年にパケット交換(X.25プロトコル)方式のネットワークを構築したが、業務の効率化の推進が重要な課題になっており、業務システムの拡充を図るための情報通信基盤として、1998年に市内に光ファイバー網を敷設してATM(Asynchronous Transfer Mode、非同期転送モード)交換方式に基づくネットワークを構築することになっている。

ATM交換とパケット交換の違いは、ATM交換の場合はセルのサイズが53バイトと固定であるのに対して、パケット交換の場合はパケットのサイズが128〜4096バイトのように可変長であること、ATM交換がハードウェアによるルーティングを行うのに対して、パケット交換はソフトウェアで行うこと、さらに光ファイバー通信やLSI技術によって、伝送路などでのエラーが減ることなどから、高速なデータ伝送が可能になる。

ただし、光ファイバー網はローマ市が自ら敷設する自営のものではなく、テレコム・イタリアの回線サービスを利用することを前提としている。なお、イタリアの電気通信市場は、1996年まで国営のテレコム・イタリアが独占していたが、1998年上月1日に予定されている欧州電気通信市場の完全自由化に向け1997年に自由化された。

(1)情報通信ネットワークの現状

ローマ市では、サービス拠点であるすべてのテルコスクリツォーネがパケット交換(X.25プロトコル)方式のネットワークに接続しており、端末利用者は、市内にあるIBM社とUnisys社が作成した2種類の環境による情報システムを利用することができるようになっている。

このネットワークの様成図を次に示す。

 

 

 

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