第10節 調査レポートーローマ市情報センター(CentrO Electronico Unificato Conune di Roma)(イタリア)
1 ローマ市情報センターの概要
イタリアの人口はおよそ5,706万人で、ローマ市の人口はおよそ300万人である。
イタリアの行政組織の類型は、国、州、県、市町村となっていて、団体数は州20団体、県95団体、市町村およそ8,000団体である。
ローマ市情報センターは、ローマ市の予算、会計、企画、統計等の業務を所管する総務系の部門に属しており、ローマ市の全部局にわたる業務処理のための情報システムの開発・運用に係る業務を所管している。
ローマ市の全職員(教員、警察官を含む。消防職員は国家公務員。)はおよそ27,000人で、そのうち情報センターの職員は約150人である。情報センターの職員のうちおよそ100名が情報システムの運用管理を担当し、その他のおよそ50名が情報システムの開発を担当している。基本的に情報システムのオペレーションは市職員が行い、開発は市が導入しているコンピュータ・メーカやソフトハウスに委託して行っている。
ローマ市が導入している主なコンピュータは、次のとおりである。
●汎用コンピュータ
IBM(9021/500)1セット
Unisys(1100/92)1セット
●小型コンピュータ
IBM(AS/400)2セット
Unisysy(5050)2セット
01ivetti(M44) 20セット
その他 5セット
●パーソナル・コンピュータ 500台
2 ローマ市におけるthe internet利用
ローマ市ではthe internetでホームページを開設しているが、ローマ大学のサーバのディスク・スペースを借りて利用している。運用についても、ローマ大学が協力して行っている。
the internetは市職員が個々に業務利用できる環境がない。また、全庁的な庁内LANは整備されていない。そのため、庁内での情報交換に電子メールは利用されていない。the internetの業務利用については、the internetによる情報交換におけるセキュリティの脆弱性ゆえに、暗号技術など最近の高度な技術を利用してまで行うことの費用対効果を総合的に判断すると、現時点では利用の必要性がないと考えている。あくまでも、剛Wを利用した情報提供が現状での現実的な用途であると考えている.
3 主な業務システムの概要
ローマ市の情報システムは、以下の行政サービス分野で主に利用されている.
?@人口管理
市民の戸籍処理システムである。主なサービスとして、証明書の発行、戸籍事項の改訂、身分証明書、労働手帳、選挙記録保管所の管理、半年単位で行われる定期的な選挙検査、徴兵票及び就学票の作成などがある。この業務処理は1986年1月1日に