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らも国際銀行間決済や企業間商取引などのビジネスユースとして普及することを見込んでいること、電子メールの送達確認、開封確認、到達時間の保証などの要件から判断している。

現在、全自治体の65%は電子メールを利用していないが、その内の18%の団体が1997年中に利用を計画しており、25%の団体が1998年中に利用を計画している。

ノルウェーのすべての自治体では、1997年始めに情報技術を積極的に活用する方針を決めたこともあり、全般的に行政の内部で電子的手段による情報交換、特に電子メールの利用が急速に浸透しつつある。2000年までには、全自治体の85%がthe internetに接続して電子メールを利用する予定である。こうした中で、ノルウェー計画策定調整省(PSD:Ministry of National Planning and Coordination)とノルウェー地方自治体協会(KS)はともに連携して、自治体が電子メールを利用し、情報技術を積極的に活用するとともに、庁内LANをthe internetとシームレスに接続するように環境整備することを働きかけている。

 

3 ノルウェー地方自治体協会(KS)の概要

 

(1)ノルウェー地方自治体協会(KS)の組織概要

ノルウェー地方自治体協会(KS)は、すべての県と市町村が提携して1972年に設立された国立の機関である。ノルウェーの全自治体の職員はおよそ45万人であるが、この職員の雇用主を代表する機関である。そして、職員が構成する組合との間で様々な問題に対して交渉することも主な役割であり、国に対しては自治体を代表する立場にある。

主な業務としては次のものがある。

・国の政府、議会、他の機関に対する地方政府のためのスポークスマンとして活動する。

・自治体間における協力・連携や知識・経験の交換を促進する。

・地方政府の業務に関する情報を広報する。

・幹部職員に対する研修と同様に政治家に対する研修を実施する。

・国際的な業務について、市町村や県を代表する。

・法律、財政、行政運営などについて市町村や県に助言や支援をする。

そのうちの一つとして、ノルウェー地方自治体協会(KS)では、市町村や県の業務がもつと効率化するように、また住民に対するサービスが改善されるように、様々な調査・開発プロジェクトなどを推進し、そのために、政府の関係機関と連携・協力している。

ノルウェー地方自治体協会(KS)の運営は政策立案機関である委員会(Landstinget) が行い、委員は地方選挙によって当選した地方議員から4年の任期で2年ごとに選出され、自治体によって任命される。4年ごとに委員会は正副会長と15人の委員からなる参事会を選出する。また、県ごとに19の出先機関があり、そのいずれにおいても、参事会や事務局が設置されている。

なお、ノルウェー地方自治体協会(KS)は2つの会社を経営しているが、1つは週刊の新聞を発行する新聞社である。これはノルウェー地方自治体協会(KS)が100%出資しており、自治体向けの記事を掲載している。2つ目は出版社であり、自治体に関する書籍を出版している。

 

 

 

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