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?Gセキュリティ境界面

最小のセキュリティ境界面はアプリケーションゲートウェイで守られる各部署単位となる。最大の境界面は市役所組織および関連外郭団体のIPアドレスと経路制御を神戸市役所ネットワーク管理者が把握できる範囲としている。

 

5 他の行政機関との接続における課題

 

現時点までの市域内での情報基盤の整備の結果、セキュリティ境界面の設定および拠点への物理層の確保、イントラネットの試験運用から本格運用への準備等は進みつつあるが、他の団体とのコミュニケーションを行うには未だいくつかの課題が残っている。

(1)ネットワーク技術における課題

?@外部接続の経路制御と安全確保

住民への情報提供と組織内部から外部へのアクセスの両点を主要目的とした外部接続は商用のISPへの接続で満たされている。今後においてもISPへの接続は住民が多様なSP業者からの経路で神戸市役所のサーバにアクセスしてくる限り必要なものであり続けると考えられる。

しかし今後、行政組織同士をインターネット技術で結んだプライベートネットワークとしての総合行政ネットワークや霞が関WANへの接続が予想され、外部接続としてISPとは別の経路を確保することになるであろう。特に、大規模災害を想定した場合、多量のアクセス要求の塙接等が住民側からの経路で予想される時でも、霞が関や近隣の団体との経路は確実に確保しなければならない。インフラが破壊されて市役所がネットワーク的に孤立した場合でも市域の外のどこで例えばメールを受け取る拠点を準備しておくのかといった、大きな範囲と場合を想定した安全の確保が重要になると考えている。

?Aディレクトリサービス

認証の問題以前の課題となるものとして、メールアドレスや文書の所在の確認サービスが外部団体と接続される場合必要となる。組織内部であれば、ネットワーク以外のディレクトリサービスにより、事前に組織内部に配布しておくことも可能であるが、外部接続されたネットワークそのもののサービスとしてディレクトリサービスを標準化の問題と共に組織間ですりあわせる必要がある。

(2)ネットワーク構築運用経費

これまでの内容には、ネットワーク整備の経費面については何もふれてはこなかったが、地域における交通網の整備と同様にかなりの費用がかかると思われる。職員の研修費用も継続して必要である。 しかし、整備の目的が行政事務の効率化であり、住民サービスの向上である限りその経費については、最小限のものでなければならない。

ハードウェア、ソフトウェア、人材等のすべての面において重複投資をさけることが重要である。インフラ整備のように特定の業務目的をもたない事業目標についても効率的な予算配分がされることを期待する。

 

 

 

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