日本財団 図書館


第3節 岡山県:行政機関間におけるネットワーク活用の現状と今後の取り組み

一岡山情報ハイウェイと公共ネットワークー

岡山県企画部情報政策課長 新免 國夫

 

1 岡山情報ハイウェイの目指すもの

 

岡山県では、平成7年度「岡山情報ハイウェイ構想」をとりまとめ、平成8年度からその構築に着手してる。

岡山情報ハイウェイ構想は、近年進展の著しい情報通信技術を積極的に活用して、地域の活性化と地域間格差の是正を図ろうとするものである。

県内の情報通信基盤の構築に併せて、県民福祉の向上につながるさまざまなシステムの開発・導入を促進することにより、県民は、県内どこにいても医療、保健、福祉、教育等公共や民間のさまざまなサービスを、いつでも受けることが可能にし、また、県内の産業分野においても、国内外を相手に情報発信や情報収集を効果的に行うことにより、地域産業の活性化を図ることを目指したものである。さらに、これらの施策を通じて、県内に最新の情報通信関連技術を蓄積し、需要の創出と相侯つて、情報通信産業の集積を促進しようとするものである。

このように、岡山情報ハイウェイ構想は、ネットワーク面から見ると、いわば県内全域にイントラネットを構築しようとするものである。これにより、県民や県内の団体はお互いにさまざまな情報をやり取りすることができるようになる。そして、インターネットを通じて、県外、海外の利用者ともシームレスな通信が可能となると考えている。

岡山県においては、行政機関においても、岡山情報ハイウェイ=県民イントラネットの利用者の一人、構成団体の一つとして位置付けており、上記のようなネットワーク環境の構築の中で、行政機関間のネットワークを実現しようとするものである。

このため、本稿においては岡山情報ハイウェイの全体構想について概観するとともに、行政機関内の活用についても言及することとする。

 

2 岡山情報ハイウェイの構築

 

岡山県が、県庁WANとしての高速・大容量(155〜622Mbps)の基幹回線を整備し、県庁と県民との情報共有の高度化を図るため、構築された県庁WANを県民にも開放することにより、県庁WANを県庁と県民とを結ぶネットワーク・県民総合情報ネットワークへと展開させるものである。

情報の基盤整備を一種の公共事業として考え、「情報の高速道路づくりJを1地域の振興施策」として推進していることが、岡山情報ハイウェイの大きな特徴である。

(1)基幹回線の整備

まず、県庁自身の行政効率化を図るため、県の施設を結ぶコンピュータネットワーク(県庁WAN)を構築する。岡山県では、地方の総合事務所として9つの地方振興局を設置しており、まず、本庁と地方振興局を幹線網として大容量の光ファイバー網で接続し、次に、試験研究機関、県立学校等の県の施設までネットワークを展開する。このような通信網を構築する場合、NTT等の電気通信事業者から専用回線を借り

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION