第5章 今後の検討課題
本調査研究においては、総合行政ネットワークを構築するに当たり、地方公共団体に対するヒアリング及びアンケートから行政文書の流れ及び情報交換手段の実態を明らかにするとともに、その結果を基にして情報ランキングを明らかにし、総合行政ネットワーク像を導き出した。
また、地方公共団体の吉長及び情報管理主管課担当者に対する意識調査を基にして、住民サービスを含む総合行政ネットワークの目指す姿を検討した。
さらに、総合行政ネットワークを実現するための技術的要件としてネットワーク構築のインフラとして想定される国内通信サービスの種類の調査、盗聴対策として暗号技術の調査及びなりすまし、電送否認、情報故食などの電子ネットワーク上での不正行為やトラブルの対抗手段としての認証技術について調査を行った。
今後は、総合行政ネットワークを具体的に構築するための検討を加えるものとする。
特に地方公共団体において、総合行政ネットワークに参加するための指針となるものを目指すこととし、財政面についても検討を加えることとする。
課題については、(1)から(3)のとおりとする。
(1)アプリケーション
地方公共団体の業務を想定することにより、総合行政ネットワーク上で行政文書を交換するためのアプリケーションについて検討する。また、文書の電子化を含め保存・管理の方法についても検討を加えることとし、地方公共団体が総合行政ネットワークに参加する時に自庁に導入するアプリケーション選定の基準となることとする。
(2)認証
認証については技術の現状調査に加え、認証局をどのように構築するかについて検討を加える。
なお、既存の公的機関のネットワークで検討されている認証局の設置の考え方についても考慮し連携が図れるものとする.
認証局の開設については総合行政ネットワークの管理・運営主体とも関係するので相互に関連付けながら検討することとする。
(3)コスト
具体的なモデルケースを選定してコスト算出し費用対効果を検討するとともに、地方公共団体において総合行政ネットワークに参加する時の財政負担に係る基礎資料とする。
なお、総合行政ネットワークを地方公共団体が利用した際に地域によりネットワークの利用料金に格差が出ないような料金体系を検討することとする。
今後の検討についても、国及び地方公共団体との連携を密にし推進していくものとする。