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第3節 研究の概要

 

3-1 総合行政ネットワークの必要性

 

行政の情報化を取り巻く環境は、インターネットの急速な普及、電子商取引の実用化の動きなどの社会の情報化の進展、申請・届出等手続きに係る国民負担軽減に対する要請の顕在化などを始めとして、大きな変化をみせている。また、政府は、行政情報化推進基本計画を改定(平成9年12月20日閣議決定)し、電子政府の実現を目指して行政の情報化を推進している。

総合行政ネットワーク構築の目的は、電子化された行政文書等の交換・提供やデータベースの相互利用による地方公共団体の行政事務の効率化・スリム化及びネットワークを利用した住民サービスの向上である。

この総合行政ネットワークは、地方公共団体が単独で構築した庁内LANや県単位で構築したWANのような既存の広域的な地方公共団体間ネットワークを接続するものである。また、庁内LANの整備がなされていない地方公共団体についても、総合行政ネットワークへの参加を閉ざさないような配慮をしなければならない。この総合行政ネットワークの活用に当たっては、地方公共団体間の行政情報の交流の円滑化、共有化を図るとともに、住民サービスの面においても積極的な活用が図られていくものと思われる。また、霞が関WANとの按続を図り、ネットワーク上での国との情報交換を行う公的機関の総合ネットワークの構築を目指すことも必要である。

総合行政ネットワークが構築されると、地方公共団体にとつては、行政情報の交流のネットワークのための二重・二重の構築を防止することができるとともに、このネットワークの活用によって地方公共団体の連携による広域行政の積極的な展開が期待されるところである。また、広域行政の積極的展開や霞が関WANとの行政情報の交流を持つことにより、行政運営の効率化・迅速化を実現することができるかと思われる。

 

3-2 地方公共団体間コミュニケーションの現状と課題

 

総合行政ネットワークの構築に当たっては、地方公共団体間において交換・提供 されている情報の実態、情報交換の手段、既存のネットワーク及びネットワーク構築に対する地方公共団体の意向・要望を調査し、この調査結果の分析・検討結果に基づいて、地方公共団体の現状と将来の動向に対応しうる情報通信インフラを構築していく芝、要がある。また、この調査の結果から情報通信インフラにより交換・提供すべき情報を明らかにするとともに、早期に3,300の全地方公共団体を接続するために芝、要なプロセスを明らかにすることが必要である。

このために、地方公共団体の現状を把握するために以下のヒアリング調査を行った。なおアンケートについては、自治省が本年度に実施した結果を用いた。

(当センター実施)

・行政文書の流れと関連組織に関するヒアリング

(自治省実施)

 

 

 

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