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第4節 モバイル環境における技術動向

 

近年の携帯情報ツールを取り巻く状況変化は大きく、一年前には存在していなかった携帯情報ツールが、続々と出現している現状にある。

現在進行している新たな開発の方向性を洞察していくと、全般的に更なる高機能の追求という技術動向が見受けられる。高機能化の主な点としては、マルチメディアへの対応/作動の迅速化/データの互換性向上が挙げられる。

注目すべき点としては、インターネットやイントラネットの急速な普及を背景に、携帯情報ツールにおいても電子メールなどを利用したデータ通信環境への対応が進んできていることが挙げられる。また、今までは携帯情報端末のオプションの一つに過ぎなかったデータ通信機能であるが、最近においては、データ通信機能を取込んだ機種の標準化が着実に進行している現状にある。

 

4-1 携帯情報端末

 

外出時に携帯情報端末を携帯し、あらゆる外出先や移動中において、リアルタイムに情報処理を行うモバイルコンピューティングが注目されている。このモバイルコンピューティング需要に対応した、携帯情報端末が各社から発売されており、当面この勢いは続くと予想される。

ノートパソコンやペンパソコンを含むパソコン系では、小型・軽量化の追求による携帯性及び高機能の両立を実現した機種が多数発売されつつある。インターネットやマルチメディアに対応して、ハード面においてはCPUの高速・省電力化、ハードディスク/メモリの大容量化、通信モデムの高速化など、高性能化が一段と促進される傾向にある。PDAに関しては、電子メール機能の標準化がトレンドとなりつつあり、機種も現時点ではPHS一体型/PCカード兼用型などバラエティに富んでおり、今後も多彩な展開が予想される。

また、パソコンとのデータ互換性を向上させた、WindowsCE搭載PDAも登場している。

 

(1)小型・軽量化

ノートパソコンの小型・軽量化に関しては、高機能ノートの分野で、今後さらに進展する傾向にあり、最近ではA4サイズ(画面12.1インチ)で重量1.5kg、厚さ18mmの軽量・薄型を実現した機種も発売されている。今後、高機能ノートの分野でモバイルコンピューティングを意識した製品が、各社から相次いで登場する傾向にある。一方、ミニノート/サブノートでは、キーボードの操作性・画面サイズなどの面から、小型・軽量化は限界に近づきつつある。

 

 

 

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