2-4 運用後のパグや修正に対する対処について
愛知県の場合、システム開発はほとんど外部委託で行っている。開発を終了したシステムについて、第一義的には完了検査をしっかりしなければならないことはいうまでもないが、検査期間は非常に短く、この間にすべてのバグを発見することは事実上不可能である。また、ソフトのバグというものは運用後何年もたってから発見されることも珍しくないのが実情である。
したがって、契約書の中に、1年以内の瑕疵担保責任の項目を設け委託先に修補等を求め得るよう指導し、後々のトラブル発生に備えている。
アプリケーション・パッケージを利用してシステムを開発した場合、バグを含め運用後のトラブル解決は、パッケージメーカーとの調整も含め、かなり高度な専門的知識を必要とし、県独自での対処では、システムの規模やトラブルの種類にもよるが、困難な場合が多い。また、特に、大規模システムについて、開発を委託した業者と引き続き保守契約を結び、トラブル解決もその業者の責任で対応されている例が多い。
システムの運用そのものや運用後のトラブル解決には、県としてもある程度の要員が必要である。その育成については、システム開発時に、職員の参画の機会をできるだけ多くし、開発しながら要員の育成を図るようにしている。
しかしながら、人事ローテーションの問題もあり、専門にすぎる要員の育成には限界もあり、一般的には、業務の円滑な運営や委託業者と必要な調整が円滑にできる程度の職員の育成を目指している。
2-5 アプリケーション・パッケージ利用における課題と効果
アプリケーション・パッケージ利用の目的として、開発システムの品質向上、開発期間の短縮、費用の低減化ということがあげられるが、このうち、開発システムの品質向上の面ではかなりの効果をあげている。すなわち、アプリケーション・パッケージを利用した場合、グラフィカルで分かりやすい操作環境の実現等、利用者にとって使い勝手のよいシステムを構築すること