第4章 アプリケーション・パッケージ利用における著作権の問題
ソフトウェアは電子的な媒体を通じてコピー(複製)したり、ソースプログラムを所有していれば内容を変更(翻案)することが可能である。これらはすべて著作権に属する権利であるが、地方公共団体とパッケージベンダーとの間で著作権をどのように設定するかによって、システムの改訂やコピーの法的根拠を左右するものになる。ただ、アプリケーション・パッケージの標準品の著作権は基本的にはパッケージベンダーに帰属するといえる。したがって、標準部分とカスタマイズ部分との切り分けやそれに伴う地方公共団体とパッケージベンダーとの間の取決めが、アプリケーション・パッケージを利用したシステム開発における著作権の取扱いを決める根拠となる。
ここでは、以下の内容について述べる。
・カスタマイズの在り方と著作権設定との関わり
・アプリケーション・パッケージを利用したシステム開発の流れの中で、カスタマイズ部分を特定する考え方
・アプリケーション・パッケージの導入契約の中でカスタマイズに関して
取決めておくべき内容
6)本章では、次の文献を参考にした。
「ソフトウェア取引の契約ハンドブック」(吉田正夫著、1989年、共立出版)
「プログラマのための最新著作権法入門」(藤原宏高・平出晋一著、1991年、技術評論社)
「知って得するソフトウェア特許・著作権」(古谷栄男・松下正・真島宏明著、1992年、アスキー)