4-2 保守
保守における考え方は次のとおり
・運用開始後に開発目的に見合った性能や効果が得られているかをチェックする
・アプリケーション・パッケージ標準部分とカスタマイズ部分との障害切り分け・原因究明の体制を整える
・バージョンアップや不具合などの技術的情報を継続的に収集・管理する
システム開発一般について必要なことではあるが、「仕事の流れを見直すこと」や「開発の効率を高めること」を目的として導入するアプリケーション・パッケージの場合は、特に当初想定した性能などの品質や仕事の流れの改善などといった点がどの程度達成されているかを運用開始後にチェックする必要がある。ユーザーに対するヒアリング等の手段によって、こうしたチェックを行うことにより、アプリケーション・パッケージの導入に関する知見を蓄積していく必要がある。
また、アプリケーション・パッケージの保守における不具合対応に特徴的なのは、 ・アプリケーション・パッケージ自身が持っているバグの究明
・カスタマイズした場合に発生する標準部分とカスタマイズ部分との障害原因箇所の切り分け作業である。
いずれについても、パッケージベンダーの協力は不可欠であり、アプリケーション・パッケージについて不具合情報等があれば、これを提供してもらう必要がある。カスタマイズ部分との切り分け作業が必要な場合には、実際にカスタマイズを行ったソフトウェア会社等の実施主体の協力も不可欠である。これらの協力を得ながら、利用者である業務所管課が不具合発生状況の記録を基に再現性の確認等を行いつつ、障害原因を特定する必要がある。
また、アプリケーション・パッケージのシステム更新については、バージョンアップに関わる影響箇所の特定を行うために、バージョンアップの詳細情報や不具合解消に関する情報等をパッケージベンダーから情報提供してもらうとともに、同じアプリケーション・パッケージを利用している他の地方公共団体からの情報も収集する必要がある。