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注4 詳しくは、Alister Mathieson and Geoffrey Wall,TourisM:economic,physical and social impacts,London,Longman Scientific & Technical,1982(佐藤俊雄監訳『観光のクロス・インパクト―経済・環境・社会への影響―』大明堂、1990年)を参照。

注5 「ソフト・ソーリズム(soft tourism)」、「グリーン・ツーリズム(green tourism)」、「もうひとつの観光(altern ative tourism)」など。それぞれの名称は重視する点の違いから異なっていたが、どれも従来の主流であるマス・ツーリズムの功罪とその影響の下で考案されたものである。

注6例えば、多数の国際会議が開催されるようになった。特に、太平洋アジア観光協会(Pacific Asia Travel Associationi;PATA)は1989年以降「Adventure Travel & Ecotourism Conference」を毎年開催している。専門雑誌においても、Tourism Management,Vol.14,No.2,1993とOcean & Coastal Management,Vol.20,1993では「エコツーリズム」について、Annals of Tourism Research,Vol.21,No.2,1994ではエコツーリズムの目的地としての「南極大陸における観光」について、特集が組まれた。

注7 Donald E.Hawkins,Ecotourism:Opportunity for developing countries,Global Tourism:The next decade,William Theobald(ed.),Oxford,Butterworth-Heinemann,1994,p.261(「エコツーリズム:発展途上国にとっての好機」玉村和彦監訳『観光の地球規模化一次世代への課題-』晃洋書房、1995年)

注8 特に国家レベルで積極的に取り組んでいる国々には、コスタリカ、ベリーズ、マレーシア、オーストラリアなど。日本では環境庁が1990年から国立公園等での自然体験型利用を推進するためにエコツーリズムに関する調査を継続している。詳しくは、『平成4年度自然体験活動推進方策検討調査報告書』財団法人国立公園協会・財団法人自然環境研究センター、1993年、および「平成6年度自然体験活動推進方策検討調査報告書』財団法人国立公園協会・財団法人自然環境研究センター、1995年を参照。

注9 Bryan H.Farrell and Dean Runyan,Ecologyand tourism,Annals of Tourism Research, Vol.18,No.1,1991,pp.26-27

注10 例えば、エコツーリズムを題名に冠した初の書籍(Ecotourism:the potentials and the pitfalls(Volumes 1 and 2),World Wildlife Fund,1990)を執筆したBooは、「エコツーリズムは環境保全分野と旅行業界とにおける個々の傾向が交差して生まれた考え方である」として以下の説明をしている。1980年代に環境保全分野において環境保全と経済開発との統合に向かう傾向が生じ、保護地域への観光が地方にも国にも収入をもたらす選択肢の一つであり自然公園と保護地域の保全を支える可能性のある手法との見解が広まった一方、同時期に旅行業界においても人々の環境に対する関心の高まりから冒険的で参加型かつ自然志向型の観光に対する需要の増大が見られ、そのニーズに対応する必要がでてきた。この二分野における要求を満たす方法としてエコツーリズムが考え出された。

(Elizabeth Boo,PIanning for Ecotourism,Parks,Vol.2 No.3,1991,pp.4-8)

注11 R.K.Dowling,Tourism and environmental integration:the journey from idealism to realism,Progress in Tourism,Recreation and Hospitality Management,Vol.4,C.P,Cooper and A.Lockwood(eds.),London,Belheaven,1992,pp.33-35

注12 Gerald Budowski,Tourism and environmental conservation:conflict,coexistence or symbiosis?,Environmental Conservation,Vol.3,No.1,1976,pp.27-31

注13 Michael Romeril,Tourism and the environment-towards a symbiotic relationship(introductory paper),International Journal of Environmental Studies,Vol.25,No.4,1985など。

注14 例えば、International Journal of Environmental Studies,Vol.25,No.4,1985では「観光と環境」というテーマで特集が組まれ、Annals of Tourism Research,Vol.14,No.1,1987では「観光と物理的環境」というテーマで特集が組まれるなど、この時期までに多くの関連論文が発表されるようになっていた。

注15 World Comrnisslon on Environment and Development,Our Common Future,Oxford,Oxford University Press,1987(大来佐武郎監修『地球の未来を守るために』福武書店、1987年)

注16 Dowling,op.cit.,pp.38-39

注17 Ibid.,pp.40-42

注18 エコツーリズムという用語がいつどこで誰によって最初に用いられたのかは明らかではないが、観光研究の専門雑誌に頻繁に登場しはじめるのはこの時期である。Oramsは、「エコツーリズムという用語の使用は、1980年代後半にまでしか遡ることができない」とし、「おそらくエコツーリズムという用語を明示的に使用した初めての人物」としてCeballos-Lascurainを挙げている。(Mark B.Orams,Towards a more desirable form of ecotourism,Tourism Management,Vol.16,No.1,1995,p.4)

注19 Hawkins,op.cit.,p.265

注20 International Union for Conservation of Nature,The World Conservation Strategy,Gland,Switzerland,1980

 

 

 

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