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所4、分室2)を設立している。国内で法人を対象とする業務が多いことから海外進出の目的は「日本企業の海外進出に伴い発生する旅行業務の担当」である。

カナダへの進出は1986年、バンクーバーに駐在員事務所を設立したことに始まる。進出の理由は2つある。第1は、グループによる海外進出である。東急グループは「環太平洋構想」を打ち出し、グループで海外開発を進めてきた。東急ホテルチェーンの「パンパシフイックホテル・バンクーバー」の設立に合わせ、東急観光も駐在員事務所を設立したのである。東急観光はパンパシフィックホテルの出資会社5社の1社となり、ホテルに送客することでホテル運営を支援する。その一方で、駐在員事務所は通常、出向社員1名、セクレタリー1名の合計2名で運営されるところを、ホテルのセクレタリーに業務を兼任させることによって出向社員1名で運営する。グループとしての相乗効果を狙った海外進出である。第2の理由は、カナダを訪問する日本人旅行者数の増加である。1980年辺りから日本国内ならびにアメリカに進出した日本企業のカナダ方面へのインセンティブツアーが増大した。また、一般旅行者数も増加傾向を示し、継続的に増加することが予想された。自社の取扱旅客数の伸展を期待し、旅行者をサポートするために海外進出したのである。

駐在員事務所の役割は、現地ツアーオペレーターの管理.監督である。営業活動が許可されないことからインバウンドのみを扱っていた。手配等は一切行わず、日本から受注した業務を当時契約していた2社のオペレーターに委託する。それ故、ツアーオペレーターが指示通りにサービスを提供しているかどうか、確認する必要があったのである。

バンクーバー駐在員事務所の運営が順調に進む中、東急観光と阪急交通社が共同出資する海外旅行会社「ヴィータ」を設立するという業務提携が成立した。2社統一のブランド名で海外旅行のホールセール事業を開始することになった。同時に海外の受入機関である現地法人や駐在員事務所を合弁で運営することにより、業務の効率化、サービスの充実を目指すことになった。駐在員事務所は開設7年後の1998年に現地法人となったのである。

現地法人化すると、社員は東急観光と阪急交通社各社から出向社員1名ずつの2名と、現地採用の従業員2名の合計4名になった。現地採用の1人は、日本語に堪能な日系人でオペレーション・マネジャーとして地上手配と空港での迎客を担当した。もう1人は、現地の法的知識が豊かな非日本人で人事、総務、経理等、アドミニストレーションを総括して担当した。業容は現地法人化により営業権が付与され、アウトバウンドの取扱いも可能になったが、やはり学校や企業を対象としたインバウンド業務が中心となった。駐在員事務所時代と異なるのは、オン・オペレーションとツアーオペレーターへの委託を併用する形態になったことである。受注した業務で可能な部分は自社のオペレーションで行う。委託する方がコスト削減に繋がる場合には委託する。バスやホテルの予約、ガイドの発注はオ

 

 

 

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