ち歩きですね。こういうものに周りの人たちが愛情を持って、立派な広い心を持った成年に育て上げていくというのが私たちの仕事だと思っております。そういう意味でも、ここにおられる皆様方にこれからいろいろなお知恵をおかりしなければならないと思います。またよろしくお願いいたしたいと思います。
○阿部
今回の議論の中で出てきたことは、もう非常に普遍的なテーマ、普遍的な課題がもう随所にはめこまれております。それぞれを個別に論評し総括することは、とても限られた時間では不可能でございますので、このパネルディスカッションを契機に、アジアとの観光交流、あるいは観光交流というよりも、もうちょっと広い意味での社会と社会との新たな出会い、人と人との新たな出会いを創造していく、こういう交流というものの創造のための1つの今後の方策としてぜひお考えいただきたいことを二、三触れさせていただいて、このパネルディスカッションのまとめにかえさせていただきたいと思います。
ご承知のように、既にこういう関空ができ、そして世界というものの情報化がこれほど進んでまいりますと、非常に身近なものになづております。地球家族という言葉も、あるいは地球市民という言葉も日常的に語られるようになりました。先ほどゴーンさんのお話にもございましたけれども、交流が進んでいく、観光開発、観光産業、あるいは観光客がふえていくということは、必ずしも正の面ばかりではなくて負の面もある。その負の面をできるだけ抑えながら、サステイナブルな開発であるとか、ヘリテージ(遺産)を大切にするようなものとして観光振興に努めたいというお話がございました。私どもは、まさにそういう負の面ということにやはり絶えず注目し、それをどういうふうに抑え込むかということがまず第1に大切かと思います。
その場合に、今の自然の問題はまた別個にいたしまして、文化変容ということがやはりどうしても避けては通れない課題でございます。異なった文化が出会ったときに、当然その本来持っていた文化性というもの、文化的な歴史、あるいは文化的な遺産というものは変わってまいります。ゆがめられると言ってもいいかもしれませんし、新たな創造の機会を与えられると言ってもいいかもしれません。これも二重の局面があると思います。観光交流にしろ、すべての交流というのは、そういう意味ではある文化変容というものを内包しているんだ。
その文化変容というのを内包しているわけですけれども、例えば先ほどの高崎さんのお話でございましたけれども、グローバルスタンダードというものによって世界が結ばれていくと同時に、そのローカルスタンダード、グローバルスタンダードがどこまで保全していけるのか。あるいはローカルスタンダードというものを生かすためにグローバルスタンダードというものをつくっていく。観光交流におけるグローバルスタンダード。これはホスピタリティーの問題もそうでしょうし、パンクチュアリティーというお話もございましたけれども、そういうものも出てくるだろうと思います。
そういう人と人との多様な交流機会をスタンダードという局面から見ますと、そこにさまざまな新しい感動あるいは発見、そして創造というものがあるはずです。まさにそのことが観光交流が本来目指すべきことである。もちろんそれはお金が伴っていかなければならんわけですけれども、それはそれとして、結局、人と物と情報とが出会うことによって、その地域も自然も生活も文化も、ある1つの事として表現されている。私たちがアジアに行ったときに、そのアジアの自然を珍しい自然だと思った瞬