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桐谷●10月3日の稽古イン前に、フィリピンの方では4シーン作ってきたんですよね。黒テントはシーンは作んなかった。歌の稽古とかいろいろやっててね。彼らが持ってきたシーンはそのまんま、黒テント側の俳優は入っているけれども、そのまんまです。

山元●それからこっちに来てソクシーが演出した場面というのもある。

桐谷●ベローナのバーはほとんどそうだよね。

ソクシー●大変良く似ているんです、もともと。もちろんPETAではこういった芝居のスタイルを使うと共に様々な演劇のスタイルを使います。とてもリアリズムで作る芝居もありますし、全てを音楽で、ミュージカルというよりも、もうオペラに近い音楽劇ですけれども、そういうこともやります。ですから、今日の『ロミオとジュリエット』の演劇のスタイルというのは自分達にも大変なじみの多いスタイルの一つであります。

山元●黒テントには佐藤信が演出する芝居もありますから。このスタイルは、あんまり信のスタイルではない。

ソクシー●PETAはPETAのスタイルというものを作ろうと思って活動している劇団ではありません。いつも作品のテーマとか、その作品に何を描けるかということでその演劇のスタイルを決めます。ですから、この『喜劇・ロミオとジュリエット』という演劇のスタイルにはこれが一番適った方法だと自分では思っています。

ロディ●PETAではお客さんから「ああ、これはPETA」「PETAみたい」って言われるようなスタイルがあるんだと思いますけれども、PETAのメンバーの誰にとっても、劇作家である私にとっても、「PETAの演劇のスタイルってどういうものですか」と言われて、明確に答えられるようなスタイルを持っているわけじゃありません。たぶん日本にいるフィリピンの方がたくさん見にいらっしゃいますけれども、その人達は「ああ、これPETAよね、PETAの芝居よね」と言うと思いますが。

山元●あそこの、農夫のシーン、PETAのメンバーと黒テントの

 

 

 

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