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今度ダムタイプとどんな共同作業ができるんだろうかっていうのは挑戦というか、僕に新しい環境を作らす何かがあるんじゃないかなと。何かを作るための関係が持てるのなら、ダムタイプにも参加していけるんじゃないかということで、今やっているわけです。

熊倉●常に新しいインターフェイスを求めることによって、作品とのつながり方を真摯にかつ嘘のないナチュラルなものに考えられたんですね。

山中●昔、古橋と作っていたように、今はダムタイプのメンバーや池田君とかと一緒に作っているっていう感じがしてて、自分にとっては常に新鮮なかたちで関係を持てるようにやろうとしているんです。

高谷●今の話を聞きながら思ったんですけど、古橋って大きく言うとディレクターなんですけど、小さく言うと接着剤みたいなもので、ギュッて、うまいこと自分のやりたい方向に持っていくみたいなところでコントロールされていたのが、それがなくなった時に新しくどう作るかということで本当にみんな今回『OR』は必死。今までだったらそこんとこ考えずにガーッと走っていたのが、それが誰か考えてな無理やねんねっていうことをみんな感じていると思う、僕だけじゃなくて。そこが面白いというか、こうやって次のダムタイプのシステムができるのかなっていう気はします。

 

●ダムタイプ dumb type

様々な分野のアーティストが集まり、既存のアートの枠組みを超えた新たな芸術表現の可能性を求めて、1984年、ダムタイプとして活動開始。以来、京都を拠点に、集団による共同制作の可能性を探る独自の活動を展開。あらゆる表現形態を横断するマルチ・メディア・アートとして国内外の注目を集める。デンマークのホテル・プロ・フォルマ、ノルウェーのザ・ブリッジハウス・コレクション等、海外アーティストとの共同製作パフォーマンスを実現。98年は、「OR」の海外ツアーと並行し、フランスでリール・ナショナル・オーケストラとアート・ゾイドによるコンサートの映像製作、演出家ロベール・ルパージュとのコラボレーション作品『キャバレー・テック』への参加を予定。

●熊倉 純子 Sumiko Kumakura

社団法人企業メセナ協議会プログラム・ディレクター。企業メセナ活動の活性化のためには、市民がもっとアートになじむような関係構築が必要と考え、アーティスト・イン・レジデンスやアウトリーチ活動など「人」が主役の新たなインターフェイスの情報収集を行う。92年より現職。

 

 

 

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