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小山田●言葉でしゃべれるほどまだまだすっきりもしてないんだけと、僕自身は、ずっと作り続けるんだけど、ダムタイプのスタイルとかそういうものを続けようと思って今回の作品に参加しているつもりはない。その辺はもう全然変わってないと思うんだけど。やっぱり長年一緒にやってきていたメンバーとか、ずっと一緒にコンセプトを作ったりしていたメンバーが亡くなったりいなくなったり抜けたりとかいうのは、当然その集団のバランスとかね、作ったりする過程とかには影響を及ぼすし、そういう感じであんまり特別にどうこうって言うんじゃなくて、深く静かに変わっていくんやろなと思ってるんやけど。

熊倉●いろんな人が出たり入ったり、例えば今回は出てらっしゃらない人もいて、じゃあその人がダムタイプやめちゃったかっていうとそういうわけでもおそらくないんだろうし、というようなものの一つなんですか、悌三さんの不在は。それよりはさすがにもうちょっと、どうしても観客の目には非常に彼がカリスマ的なイメージがあるんじゃないかと思うんですが。

高谷●古橋ってすごくタレント、才能があったとかっていう意味ではもちろんそうなんですけれども、今回『OR』作るにあたって、まずダムタイプの流れを知っている人にとっては、古橋が死んだ後ダムタイプはどういうものを作るんだろうと。一方、知らない人は、そんなこと関係なしに見に来るわけですよね。その時に最初はどうしようかなって思ったんですね。その生と死のボーダーを扱うのかどうか。何か考えてるとやっぱり死ってドラマチックって言っていいのかどうかちょっとわかりませんけれども、すごく興味のあることなのに、倫理観とかそういうので、押し込めちゃうのは何かおかしいなと思ったりもして。じゃあ実際にボンと使っちゃおうと。でも使っちゃう時にさっき言ってたその流れを知ってる人と知らない人のパランスでものすごく際々のエッジみたいなところを狙ったような作品、狙ってるわけじゃないんですけど、そんなふうになっていくだろうなと。だからある人から見たらすごいアンバランスに見えちやうだろうし、ある人から見たらすごくバランス取れてるように見えるような作品になるかなというふうに作品上は僕は古橋の死をとらえています。個人的には別にここではノー・コメントで。

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藤本●個人的な話じゃないですけれど当然誰か死んじゃったら、その分の衝撃もあるので、すごい関心があったことは事実ですね。無視は絶対にできないし。いろいろ考えることもありましたから。そういうのも含めて、僕はとりあえずこの『OR』は作りたいっていう欲望はあったの

 

 

 

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