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カンパニー・マギー・マラン『WAHTERZOOI』

1997年10月1日/世田谷パブリックシアター

スピーカー:永井多恵子、カンパニー・マギー・マラン・ダンサーズ

 

あたかも全員が一つの曲の作曲をして楽譜を書いているようなものです。

 

司会●今回の『WATERZOOI(ワーテルゾーイ)』はデカルトの「情念論」からテキストをピックアップして、それをマギー・マランが混ぜ合わせて、というか切ったり貼ったりしながら作ったと聞いているんですが、「感情は日常生活の一部になっています」というフレーズから始まっているわけです。そして人間の感情についてのさまざまな側面を今日ダンサーの方達によって踊っていただいたわけですが、音楽も今回は自分達で作っていますね。それでこの作品はどういうふうなプロセスで作られたのか、いろいろ聞きたいことがおありだと思いますので、後に質問の時間を設けますので、ご質問してください。

永井多恵子●私が、まず、お聞きしたいのは、とても面白いテーマで、うまくダンスにしたなあというのが私の印象なんですけれども、どうしてこのテーマを今回のダンスにすることにしたのでしょうか。

ダンサー1●マギー・マランが、なぜこのテーマを選んだかということになると思いますが、この作品の直前の作品が『コリュウテックス』でした。その中でマギー・マランはいわゆる「感覚」、視覚、嗅覚、触覚、味覚といった感覚を取り扱っていました。ですから今回の作品はそこから自然に発生してきたのです。同じような医学的な分析を行いますが、その際の対象が見えないもの、触れられないもの、すなわち人間の感情になりました、このようにマギー・マランの振付は舞台において一番人間的なものに向かっていると思っています。

永井●最初、ダンスではなくてダンサーの方々の楽器の演奏というところから始まったので、皆さんちょっとびっくりなさったんじゃないかなと思います。でもその楽器の演奏から、いろいろな感情の食い違いがあるというところから、ドラマなのかダンスなのか、そのミックスしたマギー・マランの振付の特徴というのが非常によく出ているなあと思いましたけれど、カンパニーの中でやはり踊りの振りを考えたりするときに、「やっぱりそれは気に入らないよ」とか、「いやこっちのほうが面白いよ」とか、いろいろな言い争いがあるのでしょうね。

ダンサー2●マギー・マランがまず最初に原材料となるようなものを持ってきてそれに関して私達の方から提案をすることもあります。もちろん共同作業ということで一緒に仕事をしていますが、全てを指揮しているのは振付家、マギー・マランです。

永井●今回見ていると楽器を演奏しながら踊ったり、ナレーションをしたり、ダンサーにしてはとてもいろいろな

 

 

 

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