近藤●とにかく眠れないからねえ。それが一番困難だったことかな。で、僕がワヤンさんと一緒に音楽を作る役だったんだけど、僕は雰囲気から入っていくのが好きだから1週間もらえたっていうことは非常にありがたいというか、徐々に、こう、できるからね。あんまり初めからワヤンさんと、ここはこういう風にしようとかああいう風にしようとか言うのはすごい嫌いで、彼もすごく柔軟な人だし、即興とか、作曲とかの垣根を取り払ったところでやってる人だから、これはもう呼吸というか、フィーリングで絶対できるなと思ったから、形を決めないで自然に出てくるものをピックアップしようという感じでやらせてもらってて、全然無理がなくて楽でした。音楽は楽。起きるのがしんどくて。
竹屋●はい。じゃあ、2ヵ月つき合ってくださった五井さんの方へ。
五井●僕個人の作品というのは割りと“もの派”的で、ものを使うということが非常に多いんですよね。今回劇場で大変恵まれた。というのは、リハーサル室がここの劇場は舞台と同じぐらいありまして、 1週間位その寸法でやれましたから…
竹屋●そうですね、普通日本では考えられないですよね。
五井●これで今回の作品は非常に良い方向に進んだと僕は確信しているんです。それと舞台稽古が4日ぐらいですか、とにかく今までの劇場のスタイルでは考えられないことがあって、恵まれた稽古ができたということが、これは共同で作業する場合は非常に重要なことだと思うんで、パブリックシアターは僕も初めてなんですけれども、今回、良かったんじゃないかと思います。困難なことはいつも困難で、そんなに楽なことはないんです。個人的に言えば僕は飯能に住んでいるものですから、非常に遠いんで、2週間ほど娘のところへ泊まっていて、段々娘の機嫌が悪くなって、それが困難だったことかな。
竹屋●あと1日ですから。娘さんも開放されて…。では、ワヤンから。
ワヤン●私が思うに、エネルギーというのは、無音のところからも生まれると思うんですけれども。いつもその脅かすような音量だけからエネルギーが出てくるものではないと、思います。ほとんどのところはとてもきれいでしたし、とても良かったと思っていますが、時々、ちょっと脅かされるほどの音量のところがあったと感じました。
竹屋●はい、ありがとうございました。では最後に、ナラポンに、困難なところと楽しかったところのポイントがあれば、言って下さい。
ナラポン●この作品の中でダンサー達にも振付もしているし、啓子さん、五井さんと一緒にもやったので、それが一番難しかった。あともう一つ言いたいことは、あちこちに旅をしておりますが、入国管理の問題については、僕は好きではありません。
竹屋●最後に、もし皆様の中でこのことを今日聞きたいのになと思っていることがありましたら、お答えしたいと思うんですけれど。いかがでしょうか。
客●ワヤンさんの音楽がおばあちゃんの田舎の盆踊りに似ていてとてもぐっときました。ワヤンさんのソロというか、メロディーが。