コンセプト2 プロフェッショナルアートの確立
劇場文化が活性化し、舞台芸術の基盤が整備されると同時に土壊は拡大されていく。 そして確かに舞台芸術は振興されていく。しかし、その結果どこに行こうというのか。舞台芸術の発展のために行われることだとすれば、その発展の方向性が示される必要がある。
日本を含む世界の舞台芸術のネットワークは、全世界各地で開催される舞台芸術のフェスティバルを中心に動いており、米ブロードウェイやロンドンのウエストエンドに象徴されるようなコマーシャルマーケットとは別に、ノンプロフィットの世界マーケットを形成している。そして各地のフェスティバルからロベール・ルパージュ(カナダ/ケベック)、ラララ・ヒューマンステップス(カナダ/ケベック)、ローザス(べルギー)、テアトル・ド・コンプリシテ(イギリス)、ダムタイプ(日本)、勅使川原三郎(日本)といった「新しい可能性を持ったアーティストや作品がマーケット上に視覚化、顕在化」され、その後世界各地に紹介され、さまざまな刺激を土壌に与えていくことになる。
「可能性の視覚化、顕在化」を保証するためには、(現に世界のフェスティバル・ネットワークが形成するマーケットがそうであるように)舞台芸術がプロフェッショナルアートとして確立し、ノンプロフィットなマーケットが発展することが急務である。そうすることで、アーティストや作品を産み出す土壊そのものが、より創造の質を高めていくための循環機能を持つことになるのである。
コンセプト3 アジア太平洋共同市場のためのハブ
(HUB)・フェスティバル
東京国際舞台芸術フェスティバルが世界の芸術フェスティバル・ネットワークと運動し、アジア太平洋地域の舞台芸術交流の拠点となることによって、国内外の舞台芸術の活性化と、新しい才能の発見など将来に向けての創造活動の振興がはかられることになる。
●ヴィジョンを達成していくために(目標)
[1]シアターネットワークの構築
?@公共・民間を問わず創造発信型の劇場、ホールとの連携をはかり劇場文化の活性化を促すシアターネットワークのコアづくりに着手する。
?A海外と連動していくプログラムとしてコミュニケーション・プログラムをフェスティバルのコアとなる劇場で開催して
いく。
?Bコアとなる劇場への新作作品、海外との共同製作作品を委嘱制作する。
?Cアドミニストレーターの人材の確保と育成
[2]社会的認却度を高めていくための取り組み
?@舞台芸術をめぐるメディアネットワーク構築のためのコアづくり
?Aプレスセンターの設置…マスメディアとの連携
?Bチケット、インフォメーションセンターの設置…プロデューサーズ・ボードとの連携
?C公共機関との連携をはかり公共の場所での告知を強化する。
?D都市と地域を連動し、舞台芸術への認識を高めてもらうためにエデュケーショナル(アウトリーチ)・プログラムを実施する。