ダムタイプ パフォーマンス『OR』
(スタッフ)
ビジュアル・クリエイション:高谷史郎/小山田徹/
藤本隆行/泊博雅 音楽:池田亮司/山中透
コンセプチュアル・コラボレーション:アルフレッド・バーンバウム
コンピューター・プログラム:上芝智裕
音響:水元健一(S'wave L.P.Company)
上林英昭 (S'wave L.P.Company)
照明:辻野隆之 照明アシスタント:外村雄一郎 ほか
(出演)
石橋健次郎/川口隆夫/砂山典子/田中真由美/前田英一/
薮内美佐子
ダムタイプ公演『OR』は、主宰者の―人古橋悌二氏がなくなってから、はじめて発表される作品として大きな注目を集めた。映像と音楽の質の高さに驚くべきものがあった。動きは、前作よリダンスに近づいたと感じられた。今回の作品は、間□14m、奥行きが17mの舞台が必要であり、その分客席数の減少は避けられないものだった。そのような経済面での危機に、フェスティバルからの支援は大きな支えとなった。なお、作品『OR』は、スパイラルでのコンサート、ICCでのインスタレーションとパラレルに展開され、ダムタイプの全体像をとらえる重要な機会を提供できたはずである。

『双頭の鷲』
(スタッフ)
作:ジャン・コクトー 訳:池田弘太郎 修辞・演出:美輪明宏
美術:朝倉摂 照明:原田保 衣装:ワダエミ 音響:高橋巌 ほか
(出演)
美輪明宏/岸本祐二/団時朗/柄沢次郎/山田武/もたいまさこ
美輪明宏演出・出演による13年ぶりの待望の名舞台再演。この不安定・不確実な時代だからこそ愛と死という普遍的なものを題材としたこの物語によって、真実とは、本物とは、劇的なるものとはを問うた。「あらゆる意味で本物志向の舞台にしたい」という美輪明宏の意向により正攻法の演出に加え、一新した装置・衣装も時代考証をもとに宮廷の絢爛豪華な雰囲気を醸し出し、劇的舞台に仕上がった。観客動員は成功し、美輪明宏ファンにとどまらず、コクトー作品の興味からの層も多く見られ、再演が期待される舞台となった。

ダムタイプ コンサート『OR』
(スタッフ)
高谷史郎/藤本隆行/小山田徹/上芝智裕 ほか
(出演)
山中透/池田亮司
日本の現代アート界を代表するアーティスト集団として世界的に活動している、ダムタイプの最新プロジェクト『OR』コンサート版。インスタレーション、パフォーマンスに続いて展開した、ダムタイプ結成以来初めての表現スタイルということもあり、多数の観客動員に結びついた。映像と照明そして音楽といったダムタイプのテクニカル面を極限まで追求したこの試みは短い日程に拘わらず大いに注目され、様々な論議を呼ぶステージとなった。

花組芝居『悪女クレオパトラ』
(スタッフ)
脚本・演出:加納幸和 アートディレクター:辻村ジュサブロー
作曲:坂本朗 作曲:田中悠美子(義太夫三味線) 舞台美術:川口夏江
照明:橋本和幸 音響:清水吉郎 衣裳コーディネート:阿部朱美
小道具:石井みほ ほか
(出演)
加納幸和/植本潤/山下禎啓/桂憲―/大井靖彦/北沢洋/中脇樹人/水下きよし/八代進一/横道毅/高荷邦彦/溝口健二/嶋倉雷象/
佐藤誓/木原実/原川浩明
花組芝居創立十周年記念公演第三弾。座長・加納幸和が芝居を志す以前から、自分が描きたいと思っていた世界を具現化していた数少ないアーティストとして、多大な影響を受けていた辻村ジュサプロー氏を、アートディレクターとして迎えての待望のコラボレーション。心に響く太棹の調べ、栄枯盛衰を思わせる“退廃の美”を極めた舞台美術とコスチューム。換骨奪胎の中に二人のクレオパトラを登場させるなど、新たなる物語を作りあげた。

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