これは親の世代になるかと思いますけれど、「そこまでしてもらって残ろうとする若者がいるか」。それから、「農業が誇りを持てるものではないと難しい」ということで、意識面、それから所得保障の期間の面というふうな形で、いわば住民サイドのほうから疑問視する意見が出されています。
集落住民自身の現状に対する改善要求をどのように保持するかについて検討する。要するに、潜在化している集落住民のニーズ、もしくは知覚されないような将来的な、潜在的な問題をどうくみ上げるかというのが、この集落問題の最も難しい問題になるというふうに考えております。
その次に、市町村単位での財政負担の増大と施策効果の問題ということで、自治体単位での問題点を考察しております。町村レベルの財政力には困難が生じているというふうな結論がここで得られております。この点で、いわば集落の再編、限界集落対策に関しては、やはりある程度中央政府の支持なり援助なり支援なりを施しておく必要があるのではないかというのが、ここでの問題提起でございます。
ただ一方で、このパラグラフの一番下にございますとおり、行政コストと効果の観点から、集落自体の存続を前提とする施策形成は、難しくなっていると。この背景には、そもそもその集落住民がそれを望んでいない部分、それから町として見た場合、やはり平等性やほかの投資がある中で、集落維持というところにどれだけ資源がさけるかという部分。それから町と住民、特に前者にかかわる問題でございますが、いわば集落の消滅というのは、いわば病気によって高齢者がだんだん死に絶えることによって集落が消滅していくというふうな構造になっておりますので、集落の消滅というのが、「今、ここにある危機が見えない。」と。今、集落が消えるというのが、かつてのように一家打ちそろって農家を捨てて工場で働くというふうな構造ではなくて、高齢者の突発的な死亡によってクンの歯が抜けるように起きている。だれもがなかなか、あした死ぬと思って生きている人はあまりいないものですから、どうしても「今ここにある危機」として認知されないというものがあって、ただ現実としては、消えていっているというふうな形でございます。
そこで、広域的な手法による集落機能の維持についても聞いております。これについては、結果としては意見が二分されているというふうな結論が得られております。広域的な機能の維持ということで、どういう機能について維持できるか、難易度を聞いたところの結果がレーダーチャートになっておりますが、このレーダーチャートに着目すると引っ込んでいる部分、「比較的、広域的対応が容易」だというのが集落までの道、集落までの生活道、当然これは道路でございますので、広域的な対応や、いわば公的な支援、ひいてはいろいろな代行制度等がございますので、その点では比較的容易だというふうになっておりますけれども、「非常に難しい」といわれているのが私有林(不在村地主の林地等)、林、