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ば、いわば一律に生産力等が伴っている地域は大丈夫であろうけれども、そもそも地理的に不利な地域は、今、時代が進むに従って撤退の時期を迎えているというふうなことです。

ただ撤退のスピードについても聞いておりますけれども、結論としては、比較的穏やかに限界化しておると。その理由については、今、限界集落の層は、農地林地等を所有している比較的裕福な安定した層であるということが1点。それから教育負担が終わった高齢者が多いからということで、いわば限界集落にいる人は、鼓腹撃壌まではいかないけれども目先の困ったポイントがないというふうな形ですから、いわば体を悪くしたとか連れあいがいなくなったというふうな形での穏やかな限界化が進んでいるというふうなことがここで読み取れます。

限界レベル3、「消滅はしないけれども衰退している地域」についても、一応、分析を進めております。基本的な傾向としては限界レベルに、いわば消える集落と似たような傾向でございますが、一つの特徴としましては、市町村のすべての集落で限界化が進んでいくというふうな答えがある程度多くなっているということで、消える、消えないという観点を離れまして、いわば衰退しているという面では、市町村の全域で進行していると。こちらから接近していきますと、要するに基本的な条件としては村落内すべてにかかる条件がありますけれども、やはり実際に消えていくのは、地理的に不利な地域からぼつぼつと、いわばデジタルに消えていくというふうな形になっております。

ここで対策についても聞いておりますけれども、集落対策については特に決め手がないというふうな回答が多い。やはり、これは限界集落に関しては穏やかに限界化が進んでいるということで非常に問題が顕在化しにくい話と。今、限界集落にいる方はいわば裕福な層であるということで、その目先のニーズが見えにくいということがあろうかと思います。

ちょっと公益性とか国土保全とか農地の話がずっと続きました後、維持すべき集落の規模ということで一つの洞察が出されております。ここでは、集落戸数が5戸程度でも、現在の担い手が健康である限りは、ある程度、管理保全されると。ただ、ある意見としては20戸以上でないとどうにもならないという形ですから、「5戸で若者がいっぱいいる、20戸で若者がいない」という観点で見ますと、この場合は、いわば限界集落、維持すべき集落の規模というのが、集落規模だけでも高齢化率だけでも切れないと。集落規模と高齢化率を掛け合わせた形で、いわば集落機能を維持できる人数等で見るへきではないかということが、ここで知見として得られます。

集落の担い手の問題についてはやはり打つ手なしと。集落の再生に向けての発意が乏しいというのが現況としてありますし、ここでデカップリングの有効性についてもみています。疑問を住民サイドの意見について取り上げてみますと、まず所得保障の期間が20年以上でないと、若い世代にとっては将来の保障にはならないという点が第1点。それから、

 

 

 

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