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ここで、将来の消えるだろう集落についての類型をしましたところ、過去の集落の推計と同じような特徴が得られます。それは、集落規模が小さい。それから高齢化が著しく進行していると。この2つの知見が得られまして、この2つをあわせて一言で言うとすると、ケアできる人口で集落の消長が決定されるというふうな形になります。

柴田委員長 ケアできるって老人をお世話できるっていう意味?

渡部課長補佐 はい。介護とか、もしくは実際にまだ農地に出て耕作できると。

柴田委員長 土地のケアも含めてケアとおっしゃっているんですか。

渡部課長補佐 はい。この調査では、国土保全というのも目的としておりますので。

細かくそれについて見ておりますけれども、高齢化についてはやっぱり有意な相関があるような形で見られております。また徒歩距離とかがありますけれども、それは後半に出てきますけれども比較的弱いと。我々の日常行動が自動車に乗るようになっておりますし、先ほど近岡専務理事よりご報告があった報告書の中にも、いわば徒歩圏で議論するのはナンセンスな部分があるということはここでもあり得るとは思います。

また限界集落のほうから接近して見た場合、その平均戸数は5.6戸と。ですから先ほどの知見とあわせてみますと、20戸以上はOKだけれども、20戸未満はイエローカード。そして5,6戸を切るともうレッドカードと。こうぃうふうな形で段階分けができるかと思います。

集落が消滅するか消滅しないかというふうな形で3段階に分けて、どういうふうな要素の違いがあるかというのをアンケートをとったものを表にしています。ここで注目されるのは、限界レベル3「消滅しないが衰退する場合」は、どの項目もそれほど大きな差はございませんが、実線の部分「10年は大丈夫ですけれども、10年後に無住化するという可能性があるところ」では、やはり高齢化率が高いとか、小学校の廃校、医療施設の喪失、水路等の管理停滞等というふうな形で、まず人口で決定されて、施設の撤退や、いわば施設の整備が進まないというところがとどめを刺すと。そういうふうな形の知見が得られます。

今までの我々の推移を見ますと、施設の要求水準は常にインフレーションを起こしておりますので、施設整備がこれ以上進まないということが、いわば撤退の契機になるというふうな形のところがこのグラフから読み取れるかと思います。

集落の限界化というのがどのようい進んでいるかというのを聞いております。選択肢としては、山間部の一部の集落が限界化。それから山間部からふもとに向かってじわじわと限界化している。それから市町村すべてのエリアで限界化が進んでいるというような3つの選択肢がございますが、答えを集めますと、山間部の一部の集落が限界化してほかに波及いないというふうな結論が得られております。この点で言いますと、かなり基本的な要件としては地理的な部分がある程度あるのではないかと。非常に地理学的な形で言え

 

 

 

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