おるということです。
それから3点目としまして、末端の集落で土地の荒廃、土地利用低下が特に著しい。人間の領域よりも鳥獣の領域のほうが拡大してきておるというふうなことを文章の中で触れております。つまり、過疎問題が最末端部に集中しておるんだということで、この小規模集落のあり方の研究に特に意味がございます。つまり最末端の集落が崩壊して定住が放棄されると、それに連なるといいますか接する次の地区に問題が移っていく。ですから、小規模集落というもののあり方をよくきわめ尽くさないと、過疎問題というものに対応できないと、こういう意識でございます。
ここで言う小規模集落というのは、100戸以上というような大きなものは集落としてまとまりに欠けるだろうし、まあ、30〜40戸程度というのが地縁集団としての活力のぎりぎりのところじゃないかということで、30戸未満というものを小規模集落として調査をいたしました。全国の14万集落の中では、大体30戸未満の集落というと30%弱に相当します。
過疎地域の過疎市町村でいきますと約4万2,000集落でございますが、そのうち2万集落ほどが30戸未満で47.5%。20戸未満は過疎地域だけでいきますと30.8%ということです。
第1章第2節「小規模集落をめぐる問題の所在と対策の方向」にこの調査報告書の結論、まとめがございます。小規模集落の性格についてでございますけれども、辺地部にある集落が必ずしも小規模集落とは限らない、増えていくところもある。しかしながら、過疎や老齢化が進む直接の原因が集落構成規模の大小ではないけれども、小規模集落で特にそうした現象が現れ易いとみるべきであると言っております。
そして、日常の生産と生活に直接・間接にかかわるさまざまな協同、相互扶助の人間関係が内部で伝統的に継承・維持され、また必要に応じて新しく形成されていく地縁集団が集落の本質だとしておりますが、集落の階層分化が進み、就業形態と生活様式が多様化したとき、集落の社会的な機能は低下し、弱体化していくことになるということを述べております。
そして、集落の社会的な機能を以上のようにみたとき、過疎は集落機能が最も低下し衰退したところで現れ易く、また過疎の影響は、そんな集落で最も強いはずだということで、つまり、これが小規模集落だと言っておるわけでございます。
集落再編成の方法についてでございますが、2つの方法について触れております。第1は、集落定住基盤の充実。これは、ばく大な投資が必要で、この理想案の現実性は非常にうすい。第2は、小規模集落を距離的に最も近い隣接の集落に編入、合併していく方法である。しかし、単なる形式的な手続きに終わってはならないわけで、実質的な機能を発揮しうる集落合併の方法が考えられなければならないと述べております。
次は老齢化の進行でございますが、過疎地域の老齢化傾向は、一般の人口構成老齢化現