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めの転入だけが、この集落との関係でいえば、全く新たな人物がかかわっているのである。

このような、人口や世帯の、いわば安定状態は、それぞれの世帯の就業状態が比較的安定しているからこそ生じているのである。各世帯の世帯員の年齢構成および就業状態を表6に示した。

 

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まず、農業について触れておこう。9戸のうち、2戸(表中の世帯番号7・9)を除く7戸が農家である。1戸当たりの平均耕地面積は、田38アール、畑6アール、樹園地40アールと狭小である。かつてはどの農家も牛の飼育を行っていたが、現在は2軒の農家がそれぞれ親牛・子牛を一頭づつ保有しているにすぎない。平成9年に、8?qに及ぶコンクリート製の用水路が完成したので、今後の水稲作の生産性向上が期待されている。しかし、傾斜地の水田であるため機械の導入がむずかしく、トラクターを所有しているのは2農家にすぎず、防除機は共同で保有している。樹園地には主とし栗が植えられているが、台風や猿などによる被害を蒙ることが多い。

専業農家はなく、世帯番号3の農家だけが菊栽培を主体とする第1種兼業農家で、他の6つの農家はすべて第2種兼業農家である。

 

 

 

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