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林業は、町の総面積の92%を山林が占めているものの、外材との価格競争・後継者不足・従業者の高齢化などにより、停滞を余儀なくされている。

成長が期待される製造業については、平成元年〜6年をとってみると、事業所数は14から20へ、従業者数は253から469と増加している。しかし、両者とも平成5年からやや頭打ちの観がある。主要業種としては、従来からの製材業、セメント加工業、焼酎製造業、豆腐製造業などの他に、平成元年に誘致された企業が大手自動車部品(ハーネス)製造企業の下請生産を行っている。いずれも小零細企業であり、この誘致工場でも20名程度の雇用である。しかし、この企業は、再下請企業や内職者も利用しており、一時は、関係する従業者は200名を数えた。

町では昭和48年に工場誘致条例を制定し、61年に衣服縫製業企業、平成2年に上記の自動車部品製造工場の誘致を見た。しかし、この縫製工場は、最盛期には50〜60人の婦女子を雇用したが、平成9年5月に閉鎖されるに至っている。この2企業とも、下請企業ということもあって、景気変動の影響を受け易い存在であった。

商業・サービス業は、自動車交通網の整備や人口の減少に伴い後退している。商店数は昭和60年の132から平成6年の104へ、その従業者数は325から285へ、と減少している。新しい動きとしては、観光への取り組みがある。自然、歴史的遺産、峡谷にかかる東洋一の高さを誇る橋などの観光資源に加えて、平成7年1月には高千穂鉄道日之影駅に温泉施設がオープンした。これに先立って、平成6年10月に、第三セクター(日之影町300株、観光協会100株、農協20株、高千穂鉄道株式会社20株、森林組合1株、

 

 

 

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