商工会1株、1株5万円)の「日之影町村おこし総合産業株式会社」が創設され、温泉駅の管理運営をはじめとして、町所有の観光施設の管理運営、農林業振興、人材育成、福祉サービスの実施など、村おこしにかかわる多様な事業にとりくんでいる。平成8年度には3億2百万円の売上げを得、約60名に就業の場を提供している。
3. 集落の現状
平成9年3月末現在、町内には114の集落がある。昭和35年4月の集落数は121で、35〜44年に1集落、45〜54年に5集落、62年〜平成9年に1集落が消滅している。前の6集落は「自然消滅」であり、後の1集落は営林署の閉鎖によるものである。昭和62年〜平成9年の間に60名以上の人口減少を記録した集落は3つあるが、そのうちの2集落は、これと同様営林署関係の集落である。
集落の分布をみると、河川沿いの道路脇に集積したものと、山腹の台地・緩傾斜地上に拓けたものとがある。図5に示したように、集落はかなり分散しており、市街地は、町の中心をなす日之影地区と高千穂鉄道八戸駅周辺地区とにだけ形成されている。
昭和62年3月〜平成9年3月の間の人口動向を集落単位にみることにしよう。
全集落115(昭和62年3月現在)のうち、人口増加を示したのは11集落(9.6%)、変わらなかったのは5集落(4.3%)で、両者を合わせても16集落(13.9%)にすぎない。残りの9割余りの104集落が人口を減らしている。その内訳は減少率10%未満が12集落(8.7%)、10%台が最も多くて29集落(25.2%)、20%台がそれに次いで多く25集落(21.2%)、30%台13集落(11.3%)、40%台10集落(8.7%)、50%台6集落(5.2%)、60%以上4集落(3.5%)となっている。
まず、集落の位置と人口増減との関係を図5でみることにしよう。