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いることである。この町の中学卒業者の進学率は9割を越えているので、このほとんどは、新規高校卒業者の転出によるものと考えられる。この減少数は、昭和25年・30年の0〜4歳のばあい、つまり、昭和20年10月〜25年9月・25年10月〜30年9月に生まれた者のばあいは、それぞれ720・721と極めて大きい。その後は昭和50年の0〜4歳まで、15〜19歳人口が100〜150を越える人口が5年間に減少している。従って、10〜14歳人口が5年間に転出する数は次第に減少する傾向にある。それは、10〜14歳人口それじたいが年々少なくなっているからに他ならないのである。さらに注目されるのは、20〜24歳人口は、その後はあまり大きな増減を示すことなく、図5に示した45〜49歳まで推移する傾向が認められることである。町内での生活が定着する20〜24歳層のその後は転出入があまり見られないのである。

 

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人口動向については、日々の通勤による町内外流出入人口に関しても触れておこう。この日々移動は増加する傾向にあるとは言え、この町の位置や島内他市町での就業機会の少なさなどから、いぜんとして小規模なままにとどまっている。平成7年の国勢調査によると、町内に常住する就業人口942のうち、町内で就業する人口は846(89.8%)で、町外へ通勤する人口は96(10.2%)にすぎない。そのうち77(8.2%)が福江市への通勤者である。また、町内で就業する人口963のうち、町内常住者は846(87.9%)で、町外からの通勤者は117(12%)と少ない。そのうちの60名(6.2%)が福江市常住者である。いぜんとして、町内の労働市場は空間的に非常に狭い状況なのである。

 

 

 

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