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の入居者減や老朽化に伴う再編などとなっている。

個別の集落ごとに見ると、人口・世帯の減少が著しいのは、行き止まり集落であったり、行き止まりでなくとも山と川に挟まれて隔絶感の強い集落などに顕著である。一方、人口・世帯の滅少があまり見られない集落は、旧村の中心集落やその周辺の集落であり、現在も役場や学校、コミュニティセンター(はすみ文化プラザ)などの公的機関や最寄り品中心の商店が残っている。

旧口羽村や旧阿須那村の中心集落だった「根布」や「門前」といった集落は、現在でも基幹集落として位置づけることができる。旧口羽村は、「根布」集落を中心に、役場や金融機関、商店なども揃っており、村としても行政や交流の中心として位置づけていく意向を持っている。一方、旧阿須那村は、「門前」集落を中心に、図書館機能や情報発信機能を持つ「はすみ文化プラザ」が整備されるなど、文化や教育の中心として位置づけていく意向を持っている。

 

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(4)集落が抱える問題点と取り組み

集落が抱える問題点と取り組みを、ある事例から拾ってみよう。ここでは羽須美村戸河内地区のケースを取り上げる。

戸河内地区は、羽須美村の南端に位置し、広島県美土里町、高宮町と接している。旧阿須那村に属し、「根布」や「門前」といった基幹集落からは、150〜200m程度標高が高くなっている。出羽川の支流の戸河内川沿いに東西に長く開ける谷に、「上戸河内」「柚ノ木」「峺迫(がいさこ)」「判場」「下戸河内」「大所」の各集落が点在している。6集落をあわせると、平成9年3月31日現在で、234人・87世帯となっている。

 

 

 

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